1.全日本選手権2022後、W大阪にて
全日本選手権後、『家庭画報』2023年4月号の取材をホテル・W大阪にて行ったお2人。ともに関西大学出身で大阪となじみが深いが、特に高橋さんはホテルの内観を気に入った様子で隅々までチェック。ロビーやスイートルームを興味津々で見て回る姿が微笑ましかった。写真/本誌・坂本正行(『家庭画報』2023年4月号より)
「もしかしたら高橋選手は、現役を続けるのは今シーズンまでと気持ちを固めつつあるのかも?」と感じたのは、『家庭画報』2023年4月号の取材で全日本選手権後にホテル・W大阪にてお話を伺ったときのこと。
目標として掲げてきた全日本選手権初優勝をついに果たしたお二人の表情は、やり遂げた充実感に満ちていました。特に高橋選手は、場所が慣れ親しんだ大阪であり、家庭画報の取材が年内の仕事納めであった開放感もあったのか、時折、関西弁?岡山弁を交えながらのインタビューに。その際、高橋選手が発した「僕はいつ辞めてもいいんですよね」という一言。
笑いながらの言葉でしたが、「覚悟を決めていないと出てこない発言なのでは?」と感じるとともに、男子シングルスケーターとして現役復帰を果たした高橋選手にお話を伺った、18年9月13日の個別取材を思い出していました。「今、注目しているスケーターは?」という質問に返ってきた答えは、「村元哉中ちゃん。彼女のスケート、大好きなんですよね。一緒にアイスダンスでやろうかな(笑)」。
新横浜に駆けつけたアイスダンスカップル結成の記者会見は、忘れもしない19年9月30日だったので、その1年ほど前に本音をちらりと語ってくれていたことになります。
2019年9月30日、アイスダンスカップル結成の記者会見にて。詳しい記事はこちら>>最初は「まず2年から」という話でスタート。過酷な肉体改造、コロナ禍という予想外の事態に見舞われたフロリダでのトレーニングを乗り越えたお二人は、わずか3シーズンで世界のトップ10をうかがえるまでに進化。しかし、競技レベルで世界と渡り合うパフォーマンスを続けるには、古傷である右膝の限界を感じた高橋選手が、2月の四大陸選手権後、村元選手に現役を退く意向を伝えた。