2.世界選手権2023、フリーダンス「オペラ座の怪人」演技後の涙
「高橋選手は基本、照れ屋さんなので、冗談めかした言葉のなかに本音が垣間見えることがある」。そんなことを思いながら迎えた今年3月の世界選手権は、ご本人が「因縁の場所」と語るさいたまスーパーアリーナでの大会。
『家庭画報』23年4月号にも書きましたが、魚座の占い通りに星々も後押ししてくれたのか、フリーダンス「オペラ座の怪人」では滑り終わったあと、お二人ともに「やっとできた」と感極まって涙を流す、ノーミスの素晴らしい演技を披露。自己ベストを更新する115.95点を獲得し、日本アイスダンス勢過去最高に並ぶ11位となりました。
その後の囲み取材で「素直に嬉しいです」、「今日の演技が、(今季)1年続ける意味になってくれたんじゃないかと思います」と笑顔で語る高橋選手の姿をすぐ近くで見ながら、「ノーミスを達成できて本当によかった」と心で拍手を送ると同時に、「客観的に見たら最高の花道。やり切れたからこそ、やはり現役を引退してしまうかも……」という思いが脳裏をよぎりました。