井川 遥さんが訪れる 新しい銀座、なじみの銀座
伝統の技を継承してきた老舗の名店もあれば、海外メゾン初上陸のブティックオープンなどの華やかな話題にも溢れている銀座。女優の井川 遥さんとともに、銀座の魅力をご案内します。
背筋を正して感性を磨く──、未知の領域を教えてくれる街
「銀座は大人になってから少しずつその魅力がわかるようになった街です。今の仕事についてから、周りの年上のかたに連れてきていただき、こういう世界もあるんだと思ったのを鮮明に覚えています。そして今は大人ならではの自由を実感できる街であるようにも思います。待ち合わせまでの過ごし方やひとりになりたい時を受け止めてくれる街でもある。『きよ田』さんはなかなか行く機会のない言わずと知れた名店ですが、かつてお祝いのような形で連れてきていただきました」と、女優の井川 遥さん。
【なじみの銀座】きよ田
「銀座には、幾つになっても思わず憧れてしまう、素敵な大人のかたがいらっしゃいますね」─ 井川 遥さん 「井川さんは、上品にすっと召し上がる。お話が弾んでいても、握りが出るとすぐに食べてくださるのは、何より嬉しいですね」と4代目大将の吉沢さん。「職人は食材へのリスペクトを抱いてくださっているお客さまがわかるのです」とも。ドレス90万2000円 ピアス15万6200円 ネックレス75万4600円 リング147万4000円/すべてエルメス(エルメスジャポン)
きよ田にメニューはなく、昼も夜も「おまかせ」のみ。カウンターだけのお店ですが、白洲次郎・正子夫妻や青山二郎、小林秀雄などの文化人に愛されてきた名店。絶妙な間合いで極上の握りが、すっと差し出されます。写真は、鮪の赤身(右)と腹上(はらかみ)と呼ばれる大トロ(左)。
素敵な目上のかたとご一緒したお店は、幾度か自分で通ってみて、少しずつ心地よさを増していく、というふうに銀座のお店を愉しまれています。
「銀座の名店は、また訪れる時にも背筋を正していたい、と思わせてくれるのがいいなと思います。品格を感じ、お店ごとの流儀があり。緊張感はもちろんありますが、気持ちよく迎えていただけるのは、お店のかたのはからいですよね。銀座は今もなお、この先“こんなふうに年齢を重ねられたら”と思わせるかたがたをお見かけすることができる、そんな街。少しずつ“自分を引き上げて”くれる街なのだと感じます」