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脇屋友詞さん料理人人生50年。中国料理の無限の可能性を追い求めて

2023.12.11

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〔特集〕脇屋友詞 料理人人生50年「今、この道を生きる」 札幌から上京した15歳の少年が中国料理の道に入り、一段一段キャリアを積み重ねて50年。エレガントであり、五感をフル稼働させて感動をもたらす、中国料理のスタイルを切り拓いてきた脇屋友詞シェフの足跡。そしてこれから——。

・特集「脇屋友詞 料理人人生50年 今、この道を生きる」の記事一覧はこちら>>

中国料理の無限の可能性を追い求めて

「いまだに15歳の少年時代が続いているような感覚です。もう50年?というのが節目を迎えた率直な思いです」と、潑刺とした表情で話す脇屋友詞さん。

1980年代の香港で生まれ、大皿で豪快に供する従来の中国料理とは一線を画した「ヌーベルシノワ」が日本でも人気を博していた90年代は、修業を終えた脇屋さんが中国料理界で頭角を現した時期にも重なります。


脇屋さんはそこに、四季折々の旬、日本人ならではの繊細な美的感覚を加味し、修業した上海料理だけにとらわれず広東・北京・四川の手法も大胆に取り入れた独自のスタイルを築き、瞬く間にヌーベルシノワの旗手として注目の的に。

「既成概念にとらわれず、良いものと感じればスポンジのように吸収する、私が一貫して大事にしてきたのは柔軟性です。しかし、その根底には何よりも基礎がきちんと築かれていること。最初の修業先、赤坂の山王飯店で中国人の先輩料理人からみっちりと教えていただいた礎があるからこそ、日本人の僕が最高の中国料理を追い求めてこられたのです」。

ハタの姿蒸し

ふわふわに蒸し上げた約1㌕のアカハタ。広東料理の王道的な一品を、スープのうまみを生かしたソースで脇屋シェフ風に。

活伊勢海老の2種盛り合わせ

青山椒の翡翠ソースとチリソース。麻(マー)と辣(ラー)の対比が目にも舌にも嬉しい。ハタと同様、お気に入りのレイノーの器に盛り込んだ。

脇屋シェフと家庭画報の歩み

【1995年】
家庭画報本誌初出演はふかひれ特集。東京・立川リーセントパークホテルの「楼蘭」時代の脇屋シェフに、3種のふかひれ料理をご披露いただきました。

【2008年】
これまで数々のレシピをご提案くださった脇屋シェフ。きのこ特集では、きのこのスープやXO醬を使った点心など、約10種のレシピを紹介。

【2016年】
本場の中国料理を訪ねる旅企画。香港ではおすすめのレストランをセレクトしていただき、脇屋シェフと訪ねる美食ツアーも実施されました。

【2020年〜】
脇屋シェフ×家庭画報のコラボで生まれた即席めん。「ほたてめん」、「担々めん」ともに家庭画報ショッピングサロンで販売中



脇屋友詞(わきや・ゆうじ)
1958年北海道札幌市生まれ。1973年15歳で料理の道に入り、赤坂「山王飯店」、「東京ヒルトンホテル」、「キャピトル東急ホテル」等での修業を経て、1985年27歳で都内ホテルの料理長、1992年同ホテル総料理長になる。1996年、「トゥーランドット游仙境」代表取締役総料理長。2001年東京・赤坂に「Wakiya 一笑美茶樓」、2011年「トゥーランドット臥龍居」をオープン。2014年黄綬褒章を受章。現在、公益社団法人日本中国料理協会会長。料理人人生50年を迎えた2023年12月、銀座5丁目に「Ginza 脇屋」をオープン予定。

Ginza 脇屋(2023年12月13日開業予定
住所:東京都中央区銀座5-10-5 スリーY’S & D1、2階
TEL:03(5545)1517(開業準備室。平日12時~18時)

(次回へ続く。この特集の一覧>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2023年12月号

家庭画報 2023年12月号

撮影/久間昌史

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