エレガンスの最高峰 パリ本店の秘密 ディオール 美の殿堂を訪ねて 1946年に、クリスチャン・ディオールが自分の名を冠したクチュールメゾンを開いた場所、それがモンテーニュ通り30番地でした。以来、メゾンの成長を見守ってきた館は、2年間の改装を経て、2022年全く新しい姿に生まれ変わりました。ブティック、オートクチュールのサロン、レストラン、ギャラリー、そして1日1組だけ泊まることのできるスイートまで、ディオールのすべてを堪能できる夢の館にご案内します。
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ラ スイート ディオール 30 モンテーニュ
「30 モンテーニュ」の最上階に隠されたスイートを手がけたのは、建築家ピーター・マリノ。ゆったりとしたリビングには、イヴ・クラインによる金箔のカクテルテーブル、イームズ作のアルミのソファなど現代アートやデザインの名作がちりばめられ、デザイナーになる前はアートギャラリーのオーナーだったムッシュ ディオールへのオマージュを捧げている。
あらゆる夢が叶う特別な部屋に泊まる
ディオールの館で一夜を過ごし、自分だけのさまざまな夢を叶えることのできるプライベート・スイートは、新生「30モンテーニュ」の究極の楽しみといえるでしょう。
1日たった1組の滞在客のために、専任スタッフが夜通し控え、「30モンテーニュ」全体の鍵が渡されたともいうべき贅沢な時間を過ごすことができるのです。
暖炉脇には、上海のアーティスト劉月(Liu Yue)が手がけた「ディオール レディ アート 2021」のバッグの再解釈作品が。貴石の原石をふんだんに使った、一点もののアート。
館の最上階に隠されたスイートを手がけたのは、建築家ピーター・マリノ。アート作品に囲まれた居心地のよい空間に身を委ねられるのはもちろんですが、ディオールの館を独り占めにし、フランス流アール・ド・ヴィーヴルの真髄を満喫する方法は、ゲストの望むがままです。
ダイニングルームは、緑溢れる中庭に面しており、向かいの窓にはクチュールのアトリエが見える。マザーオブパールの艶やかなテーブル、窓辺のフランス人彫刻家フランソワ・スターリーの作品「ジェミニ」など、落ち着いた中にも上品な華やぎに満ちた空間が広がる。
例えば、歴史的なサロンでカクテルパーティを開いたり、ファイン ジュエリー工房でプライベートツアーを受けたり、
「ラ ギャラリー ディオール」を訪ねたり。専門のアドバイザーとともに、誰もいない店内で気兼ねなくショッピングし、セレクトしたアイテムを部屋でゆったり試着して選ぶこともできます。
清潔で居心地のよいベッドルーム。窓の外にはモンテーニュ通りの並木が広がり、都心にいることを忘れる静けさ。宿泊前に記入するオンラインのフォーマットには、ベッドの硬さやサイズだけでなく、枕の種類まで8種類の中から選べ、わが家のような自然で快適な睡眠を一人ずつ入念に準備してくれる。
館内のレストラン「ムッシュ ディオール」の料理を部屋で味わったり、ゲストを招いてディナーパーティを催すこともできます。
誕生日や記念日を祝うために滞在する顧客も多く、ヘアメイクやスタイリストをつけて、ディオールのルックをまとい、プロのフォトグラファーに撮影してもらうというリクエストも多いそうです。
ムッシュ ディオールの人生にインスピレーションを得た三連画の一部。リビング全体は、温かみのある落ち着いたベージュ系でまとめられている。
スタッフはすべてに気配りがゆき届いた細やかさで、世界にここだけの、ディオールを楽しみ尽くす滞在に誇りを持っています。
予約できるのは、各国のディオールを通して選ばれた顧客のみ。世界の錚々たる顧客の中には、何度もリピートしているファンもいます。
モンテーニュ通り30番地の入り口からプライベートエレベーターでスイートに到着し、扉を開けると迎えてくれるのは、北京出身のアーティスト、李松松(Li Songsong)によるムッシュ ディオールの肖像。
オニキス製の壁のバスルームの奥には、広いクロゼットが続く。ダンベルやヨガマットなど「ラ スイート ディオール 30 モンテーニュ」のロゴ入りフィットネス用品も。
バスルームのアメニティは、メゾンクリスチャン ディオールの「グリ ディオール」。エレガントでジェンダーレスな香りが、心地よいくつろぎをもたらす。
(次回へ続く)