〔特集〕新時代の王室を祝い、活気ある街を旅する 新しい英国 2023年5月6日、エリザベス女王のとき以来70年ぶりに戴冠式が行われました。新国王チャールズ3世誕生に沸くイギリスで、王室ゆかりの場所と、ロンドンから少し足を延ばして訪れたいマナーハウスへご案内します。
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ルイ18世が暮らした、王侯貴族の館「ハートウェルハウス&スパ(Hartwell House&Spa)」
館内で最も豪華な客間「The Morning Room」の天井やシャンデリアは息をのむほど美しい。英国貴族のドラマ『ダウントン・アビー』の世界に迷い込んだかのようだ。
「ル・マノワール・オ・キャトル・セゾン」から、車で約20分北東に走ると、やがて17世紀に建築された、ジャコビアン様式とジョージアン様式が融合した優美な屋敷が現れます。ここはバッキンガムシャーの丘陵で、1809年にフランス革命でパリを追われ、亡命してきたルイ18世が、妃のマリー・ジョゼフィーヌとともに約5年間暮らしたことでも知られる由緒ある館。エリザベス女王や元米大統領のビル・クリントンもここを訪れています。
ドアを開けて、最初に足を踏み入れる客間「The Great Hall」は、1740年に完成した当時のままの姿で、その優雅で重厚な美しさに圧倒されます。至るところに歴史的な絵画や彫刻が飾られる特別な雰囲気の中、ゆったりとアフタヌーンティーやワインをいただくと、まるでこの館の住人になったような気分に。ロンドンから車でわずか1時間ほどの距離ですが、現代の慌ただしい世界は一瞬にして遠のいていく気がします。
本館には32室あり、ルイ18世や妃が逗留した部屋、「The King’s Room」や「The Queen’s Room」に宿泊することもできます。歴史の本や物語で読んだ王侯貴族の世界に浸り、かけがえのない思い出が作れそうです。
本館2階の「The Queen’s Room」(700ポンド〜)は、窓から広大な庭が望める。敷地内には快適なスパ施設もあり、プールやサウナ、トリートメントルームも完備している。
ここは元々ウィリアム1世の所有地だったが、ハートウェル家に譲渡され現在の名前になっている。1989年にホテルとして開業、2008年以降はナショナル・トラストの管理下に。
この客間で供される伝統的なアフタヌーンティーは格別だ(40ポンド〜)。
ジャコビアン様式の階段「Great Staircase」。中世の騎士の像が階段の支柱に立ち、厳かな雰囲気。この上に、王と王妃が滞在した部屋がある。
ライブラリーには1700年代から1900年代に出版された古書が壁一面に並ぶ。
Oxford Road, Stone, Aylesbury HP17 8NR
TEL:+44(0)1296 747444
1泊1室300ポンド~ 全48室
※次回に続く
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