連載「季節のクリッピング」3月 啓蟄・次候
桃始笑(もも はじめて さく)
選・文=平井正則(日本暦学会会長) 日本では訪れた春を喜ぶ象徴は梅と桜、中国では桃源郷にみるように「桃」である。中国の人々は古来、桃に神性があると考えたようだ。
「桃始笑(ももはじめてさく)」七十二候啓蟄(けいちつ)・次候(3月11日から15日)。
「笑う」とは日本語でも「つぼみが開く」、「春になって、花が咲き、景色が明るく見える」から「縫い目が解ける」、「ほころびる」、そして、「邪気を払う」の意味があるらしい。
〈作品〉制作・撮影= 岡本なう(洗濯バサミフォトグラファー)桃の花の重さで枝部分の洗濯バサミが崩れてしまうのを、どうクリアするか。これが今回の最大の難所だった。そこで洗濯バサミに針金を通して枝を制作。ピンクの洗濯バサミが愛らしい、桃の花が咲いた。
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