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1000日間の過酷な修行を経て実感することとは? 塩沼亮潤大阿闍梨「くらしの塩かげん」

2024.05.26

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【連載】塩沼亮潤「くらしの塩かげん」 1300年間にわずか2人しか成し遂げた人がいない荒行「大峯千日回峰行(おおみねせんにちかいほうぎょう)」の満行者、塩沼亮潤(しおぬま・りょうじゅん)大阿闍梨(だいあじゃり)。最難関の命がけの荒行を経験し、修験道を極めた塩沼さんがいま切に感じるのは「日々の“あたりまえ”のことこそ難しい」ということ。私たちのあたりまえの暮らしにそっと光を灯す小さなヒントを、塩沼さんのことばでお届けします。毎週日曜日更新。連載記事一覧→

・大峯千日回峰行(おおみねせんにちかいほうぎょう)とは?↓


自信を育てよう。

1000日間、片道24kmの山を歩いて往復する、千日回峰行という修行のときの話をしましょう。


ただ歩いても一日は一日。精一杯歩いても一日は一日。だからこそ、一切の妥協や手抜きをしないという強い気持ちで初日から歩み続けました。

自分が修行中にどう行動したか、どんな気持ちで取り組んだかは、心のハードディスクにすべて記憶されています。

その記憶の中で、1000日間で一日の後悔もなく、精一杯やりきったという自信があります。そのことが現在に至るまで、私の心の大きな軸となってくれているように思います。

地道な積み重ねですが、ちゃんとした日々を過ごしていれば、自然と自信につながっていきます。

自信とは「自分を信じる」と書きますが、自分で自分を信じきれるくらい努力を積むことができているか、自問自答してみてください。

根拠のない自信、という表現もありますが、それは基礎のない家のようなもの。揺るぎない自信がある人は、どこか誰も知らないところで自信を育てています。そして、根拠があるからこそ、困難に立ち向かい挑戦することが楽しくなるのです。 

自分のことを信じてますか?

自分のことを信じてますか?


塩沼亮潤(しおぬま・りょうじゅん)

1968(昭和43)年、宮城県⽣まれ。1987年奈良県吉野の金峯山寺で出家得度。1999年「⼤峯千⽇回峰⾏(おおみねせんにちかいほうぎょう)」の満⾏をはじめ、2000年には9⽇間の断⾷・断⽔・不眠・不臥の中、御真⾔を20万遍唱える「四無⾏(しむぎょう)」を、2006年には、100日間の五穀断ち・塩断ちの前⾏の後、8000枚の護摩を焚く「⼋千枚⼤護摩供(はっせんまいだいごまく)」を満⾏。同年故郷の仙台市秋保に福聚山 慈眼寺(ふくじゅさん じげんじ)を建立。「⼼の信仰」を国内外に伝えている。公式Youtube>>

福聚山 慈眼寺(ふくじゅさん じげんじ

福聚山 慈眼寺(ふくじゅさん じげんじ)宮城県仙台市太白区秋保町馬場字滝原89-2 公式サイト>>


◆⼤峯千⽇回峰⾏(おおみねせんにちかいほうぎょう)とは
奈良県吉野山にある金峯山寺(きんぷせんじ)蔵王堂から、24km先の山上ヶ岳頂上にある大峯山寺(おおみねさんじ)本堂までの往復48km、標高差1355mの山道を毎日16時間かけて1000日間歩き続ける修行。毎年5月3日から9月3日までの4ヵ月間が行の期間と定められているため、満行には9年の歳月がかかる。毎日おにぎり2個と500mlの水、約4時間半の睡眠で臨む、 肉体的にも精神的にも極限まで追い込まれた状況下での命がけの荒行。塩沼さんは、1991年5月3日から4万8000kmを歩き、1999年9月3日に成満している。

書籍『くらしの塩かげん』発売決定!

塩沼亮潤著『くらしの塩かげん』世界文化社(刊)

塩沼亮潤著『くらしの塩かげん』世界文化社(刊)

簡単なようで難しい日々の「あたりまえ」を、
塩沼亮潤大阿闍梨が優しく語り掛ける、72のショートエッセイ。


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文/塩沼亮潤 撮影/善家宏明 上牧佑

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