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瀬戸内の海と空を堪能するレトロモダンな観光列車「伊予灘ものがたり」

2024.06.19

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〔特集〕進化した貸し切り車両や最上級シートで 贅沢な列車時間を 『ゆったりとくつろげるソファ席、扉が閉まる完全個室、美しい風景が眺められる窓向きのカウンター席など、これまでの列車の座席の概念を覆す車両が続々と誕生しています。贅沢な移動時間を約束してくれる、全国9列車の旅へご案内します。前回の記事はこちら>>

特集「日本の夏をめぐる旅」の記事一覧はこちら>>>

瀬戸内海の絶景と歴史に出合う海列車
【伊予灘ものがたり】松山駅~八幡浜(やわたはま)駅(愛媛県)

桜の花をイメージした「ラ・フィオーレ」(右・3号車限定)と、伊予柑リキュールを使用した「黄昏」。ともに「伊予灘ものがたり」のオリジナルカクテルだ。

貸し切り車両でくつろぐ特別な旅 ── 伊予灘ものがたり

JR四国には名前に「ものがたり」がつく観光列車が3つ。いずれも、車両のデザインやプロデュースは自社で行い、運行プランには各地域の出身者のアイディアが盛り込まれています。

「伊予灘ものがたり」はJR四国初の本格的な観光列車として2014年にデビューし、2022年から2代目車両が運行中。


愛媛県の松山駅と八幡浜駅の間を走る列車のコンセプトは、「レトロモダンな車内で大切な人と過ごす、上質な非日常空間」です。

“オール愛媛” を掲げる列車の車体は伊予灘を染める夕焼け空の茜色と、愛媛名産の柑橘をイメージしたみかん色。

愛媛県伊予市、串駅近くの鉄橋をゆっくりと渡る観光列車「伊予灘ものがたり」。瀬戸内の海と空が溶け合った鮮やかな青に、暖色系の車体が映えて美しい。

料理は地元の人気レストランが手がけ、砥部焼や内子杉の器で供されます。

好みのものを選べるティーカップは砥部焼の女性作家グループ「とべりて」の作品。

八幡浜駅から松山駅へ向かう「道後編」の車内でいただくアフタヌーンティーセットは季節感もボリュームも満点。

旅のハイライトは眼前に広がる伊予灘の海と、地域の皆さんとの心温まる交流でしょう。列車が通過する駅のホームなどから旗を振り、歓迎の気持ちを表す人々に、乗客も笑顔で手を振って応えます。

そんな愛媛の魅力がたっぷり詰まった「伊予灘ものがたり」で旅をするなら、貸し切り専用の3号車「陽華(はるか)の章」の個室「Fiore(フィオーレ) Suite(スイート)」がおすすめ。

シックな内装の3号車。空や緑を映す鏡面テーブルも旅の気分を盛り上げる。

2~8名で利用できるので、少人数で優雅に過ごすことも、家族三世代やプチ同窓会で賑やかに楽しむこともできます。

ウェルカムドリンクを用意する3号車専属のアテンダント。沿線の見所の案内もしてくれる。

2号車「黄金(こがね)の章」は海向きのシートの一部がペアシート。1号車「茜の章」には3~4名で利用できるボックス席もある。列車は3両編成。


伊予灘ものがたり


●運行日
土曜・日曜・祝日、ほか不定期で運行あり。公式HPより確認を。
●運行区間
松山駅〜伊予大洲駅、松山駅〜八幡浜駅
●予約
乗車日の1か月前から。要予約
●料金の目安
1・2号車は松山駅~伊予大洲駅1名3980円、松山駅~八幡浜駅1名4330円。ご紹介した3号車「陽華の章」Fiore Suite(定員2~8名)は松山駅~伊予大洲駅2280円×利用人数+3万3600円、松山駅~八幡浜駅2630円×利用人数+3万3600円。食事はルートにより異なり、3000円~。
●お問い合わせ
JR四国 電話案内センター TEL:0570-00-4592
https://iyonadamonogatari.com/

(次回へ続く。この特集の一覧>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2024年07月号

家庭画報 2024年07月号

撮影/大泉省吾 取材・文/清水千佳子

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