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パリ最古のグランメゾン 「ラ・トゥール・ダルジャン」で“最上級のおもてなし” を味わう

2024.07.17

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〔特集〕松岡修造さんが届ける2024夏 パリの情熱 いつの時代も人々の憧憬の的である美しい街、パリ。世界の注目がますます集まるこの夏に向けて、今、さらなる開花の時を迎えています。エレガントでエネルギー溢れる最旬のパリを松岡修造さんが熱い想いとともに案内します。前回の記事はこちら>>

特集「松岡修造、パリの情熱」の記事一覧はこちら>>>

440年の時を経て生まれ変わったパリ最古のグランメゾン
【ラ・トゥール・ダルジャン】

老舗の革新
ガストロノミーの殿堂にしてパリで一番の絶景を誇るレストランといっても過言ではない「ラ・トゥール・ダルジャン」。大規模な改装を経て、パノラマビューのスケールがさらに大きくなった。再建中のノートルダム大聖堂を眺めながらの食事は一生の思い出に。

M.O.F.(フランス国家最優秀職人章)の保持者でもあるヤニック・フランクシェフが2019年からパリを代表するこの名店の厨房を預かっている。

受け継がれる伝統と進化した洗練のひと皿

伝統的レシピに加えて常に進化する鴨料理。スモークアーモンドをまとった胸肉にギリシャのぶどうと黒オリーブを使ったソース。付け合わせにもギリシャの食材や料理法を盛り込んだ一品。

パリ近郊のアスパラガスと南仏産のモリーユ茸。グリーンアスパラガスの先で青い鳥が羽を休めているという心憎い演出。

ナイフを入れると鮮やかな黄身が流れ出す、シェフの名物料理「ウッフ・ミステール(神秘の卵)」。

ラ・トゥール・ダルジャンのエスプリ
“最上級のおもてなし” を味わう

1582年に創業し、来店した王侯貴族は数知れず。我が国の昭和天皇のサインも大切に飾られている「ラ・トゥール・ダルジャン」はパリの老舗の中でも別格の存在です。


大規模な改装工事を経て2023年8月に再び扉が開かれると、昼も夜も連日満席。

「2か月前には予約されるのがよいでしょう」とアドバイスされるほど、文字どおり世界中の食通たちがこの店を目指してパリを訪れます。

地上階には、先代のポロチーム名にちなんだカフェバー「メイエ・ダルジャン」と、鴨料理を体系化したフレデリック・ドゥレールの名前をつけた「サロン・フレデリック」を新設。

「ラ・トゥール・ダルジャン」といえば鴨料理がつとに有名ですが、60年以上信頼関係を保ってきたヴァンデ地方の「メゾン・ビュルゴー」から、今も選りすぐりの鴨が厨房に届けられます。

毎日11時40分に始まるブリーフィング。サービススタッフ全員で、ゲストの名前、リクエスト、アレルギーのある食材などを共有する。

改装で一新されたダイニングは、以前にも増して光溢れる夢の空間。セーヌ川のさざなみと呼応するような天井のデザイン、オープンキッチン、現代作家による壁画と家具などの新鮮さが、よき伝統を象徴する銀器の輝きと響き合っています。

32万本ものボトルが眠る地下カーブ。

気候のよい時期はルーフトップでグラスを傾けながらパリの絶景が楽しめる。

ラ・トゥール・ダルジャンに1組限定のアパルトマンが誕生

ノートルダム大聖堂を独り占めしたような贅沢なシチュエーション。「アパルトマン」のダイニングキッチンではシェフの料理を堪能できる。一般の方も宿泊可能。

老舗のリノベーションは新時代への視点と、100年以上「ラ・トゥール・ダルジャン」の所有者であるテライユファミリーの先代へのオマージュをテーマとして行われました。

グランドフロアのカフェバーは、現社長の父親である先代にちなんだデザイン。そしてレストランのすぐ下にある、かつて社長の祖母が暮らしていたフロアが新しくアパルトマンとなり、ゲストを迎え入れる用意が整いました。つまり「ラ・トゥール・ダルジャン」で眠ることもできるようになったのです。

それはホテルの客室とは違い、1日1組限定で、テライユファミリーの大切なゲストを迎える場所。インテリアにフランスが誇る手仕事の粋を集めただけでなく、現社長の母親がフィンランド出身であることからバスルームにはサウナも完備され、ファミリーによるおもてなしを存分に堪能できます。

La Tour d'Argent(ラ・トゥール・ダルジャン)
15 quai de la Tournelle 75005 Paris
TEL:+33(0)1 43 54 23 31
営業時間:12時~14時、19時~21時
定休日:日曜・月曜
ランチコース150ユーロ~。ディナコース360ユーロ~。
「メイエ・ダルジャン」「サロン・フレデリック」(9時~25時)。
「アパルトマン」客室料金2500ユーロ~(1日1組限定)。

※1ユーロ=約169.92円(2024年6月6日現在)
※営業時間、定休日、商品、サービス内容、料金やメニュー等は時期により変更になる場合があります。
※別途サービス料や税金がかかります。


(次回へ続く。この特集の一覧>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2024年08月号

家庭画報 2024年08月号

撮影/武田正彦 スタイリング/中原正登〈FOURTEEN〉 コーディネート・文/鈴木春恵 取材協力/フランス観光開発機構

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