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もしもの時のために、忘れることも前提に準備する 塩沼亮潤大阿闍梨「くらしの塩かげん」

2024.09.08

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【連載】塩沼亮潤「くらしの塩かげん」 1300年間にわずか2人しか成し遂げた人がいない荒行「大峯千日回峰行(おおみねせんにちかいほうぎょう)」の満行者、塩沼亮潤(しおぬま・りょうじゅん)大阿闍梨(だいあじゃり)。最難関の命がけの荒行を経験し、修験道を極めた塩沼さんがいま切に感じるのは「日々の“あたりまえ”のことこそ難しい」ということ。私たちのあたりまえの暮らしにそっと光を灯す小さなヒントを、塩沼さんのことばでお届けします。毎週日曜日更新。連載記事一覧→

・大峯千日回峰行(おおみねせんにちかいほうぎょう)とは?↓

忘れる前提で準備する。

忘れ物をして焦った経験は、誰にでもあると思います。日常における忘れ物であれば後で笑い話にできますが、私の場合は命がかかった千日回峰行のときでも、つい忘れ物をしてしまうことがありました。

千日回峰行には、38種類の持ち物が必要です。一つ忘れただけでも大変なので、出発前に必ず指差し確認をしていました。ただ精神が張り詰めていたからでしょうか、注意していても忘れたり落としたりしてしまいます。
忘れ物があることを前提に準備する ・万が一のことを考える


たとえば、ろうそく。夜明けまでに3本使うところ、2本目を使おうとしたら、ない。でも、大丈夫。なぜなら、万が一忘れてしまったときのために、休憩地点の土の中にろうそくを忍ばせていたのです。

忘れないように準備するだけでなく、忘れることも前提に準備することで、もしものときに自分を助けられます。

塩沼亮潤(しおぬま・りょうじゅん)

1968(昭和43)年、宮城県⽣まれ。1987年奈良県吉野の金峯山寺で出家得度。1999年「⼤峯千⽇回峰⾏(おおみねせんにちかいほうぎょう)」の満⾏をはじめ、2000年には9⽇間の断⾷・断⽔・不眠・不臥の中、御真⾔を20万遍唱える「四無⾏(しむぎょう)」を、2006年には、100日間の五穀断ち・塩断ちの前⾏の後、8000枚の護摩を焚く「⼋千枚⼤護摩供(はっせんまいだいごまく)」を満⾏。同年故郷の仙台市秋保に福聚山 慈眼寺(ふくじゅさん じげんじ)を建立。「⼼の信仰」を国内外に伝えている。公式Youtube>>

福聚山 慈眼寺(ふくじゅさん じげんじ

福聚山 慈眼寺(ふくじゅさん じげんじ)宮城県仙台市太白区秋保町馬場字滝原89-2 公式サイト>>


◆⼤峯千⽇回峰⾏(おおみねせんにちかいほうぎょう)とは
奈良県吉野山にある金峯山寺(きんぷせんじ)蔵王堂から、24km先の山上ヶ岳頂上にある大峯山寺(おおみねさんじ)本堂までの往復48km、標高差1355mの山道を毎日16時間かけて1000日間歩き続ける修行。毎年5月3日から9月3日までの4ヵ月間が行の期間と定められているため、満行には9年の歳月がかかる。毎日おにぎり2個と500mlの水、約4時間半の睡眠で臨む、 肉体的にも精神的にも極限まで追い込まれた状況下での命がけの荒行。塩沼さんは、1991年5月3日から4万8000kmを歩き、1999年9月3日に成満している。

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塩沼亮潤著『くらしの塩かげん』世界文化社(刊)

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簡単なようで難しい日々の「あたりまえ」を、塩沼亮潤大阿闍梨が優しく語り掛ける、72のショートエッセイ。


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文/塩沼亮潤 撮影/善家宏明 上牧佑

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