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風の神様を祀る神社に由来する「風間」。発祥の地には記念碑も!

2025.03.22

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墨アート製作/越智まみ

名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

風間(かざま)

「風間」は全国ランキングで1000位以内というメジャーな名字です。

一般的には、「風間」とは風が吹き止んでいる時を指す言葉なのですが、名字の「風間」は地名由来のものが多いのではないかと思います。

というのも、信濃国水内郡風間(現在の長野市風間)という地名が「風間」という名字のルーツとして有名で、ここには「風間氏の会」によって「風間氏発祥の地」という記念碑も建立されているのです。


では、この「風間」という地名の由来はなんでしょうか。

風間神社は『延喜式』にも記載されている古い神社で、祭神は級長津彦命(しなつひこのみこと)です。級長津彦命はイザナギノミコトとイザナミノミコトの間に生まれた神で、『古事記』では志那都比古神、『日本書紀』では級長津彦命と書かれている風の神様です。

近くを流れる裾花川は暴れ川であったため、それを鎮めるために建てられたのが起源らしいのですが、級長津彦命を祭神としているので、ここは風の強い場所でもあり、それを鎮めるために建てられたのでしょう。

そして、この風間神社から周辺が「風間」という地名になったようです。

後に風間神社は諏訪大社の末社となり、諏訪大社上社の神職矢島家の一族がここに住んで「風間」を名字としたのが風間氏の始まりです。そして、室町時代には長野県北部から新潟県の上越地区まで勢力を広げていました。

現在でも長野市と新潟県上越市に激しく集中している他、長岡市にも多くなっています。

その他、山形市や神奈川県相模原市にも地名があり、名字も山梨県笛吹市や静岡市などにも集中しています。
森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/

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