自然素材の蓋ものを使って、ナチュラルな雰囲気を作る。アンバー色の1輪挿しと、アクセサリーを置いた乳白色の花のオブジェは「ラリック」製。通気性に優れた竹籠には化粧品類。木彫りの蓋ものにはアクセサリー類を収納。パッと目を引くマンゴスチンのユニークな形が、南国ムードを演出。Tips4
洗面台まわりは洗える箱でホテルライクな空間に
雑然とした印象になりがちな洗面台まわり。ここでも多美保さんは、水で洗える竹や木製の蓋ものを取り入れることで、すっきりとした印象を保っています。
「洗面室は、ナチュラルで少しアジアンな雰囲気を意識しました。竹籠は日本、マンゴスチン型の蓋付きはバリ製ですが、国は違っても素材感やテイストが似たもの同士は相性が良く、コーディネートがまとまります。頻繁に使う場所なので、安定性の良いものを選んでいます」。
「洗面台まわりが整っていると、毎日を気持ち良く過ごせますよね。ですから、いつでもきちんとしていたい」と、必ず1輪の花を飾るのが多美保さんの習慣。
半月程度花が持つアンスリウムなどの花材なら、手間がかからず無理なく暮らしの中に花を添えることができます。
葉っぱを模したフォルムの木彫製トレーの上には、きれいに畳んだ「イヴ ドローム」のハンドタオルを並べて。清潔感が漂うホテルライクな水まわりです。
光が差し込むデスクのガネーシャ像も、ネックレスをかけておめかしを。ボックスの蓋の裏側には、ジュエリーを置けるようにヌバックが貼られており、その日身につけるものを選ぶ際にジュエリーショップのような気分を楽しめる。Tips5
家具と一体化するジュエリーボックス
“インテリアと調和させる”という多美保さんの箱を使った収納術を、ひときわ象徴しているのが、卓上のスタンドミラーの右側に置かれているジュエリーボックスです。
「漆箱やマンゴスチン型の蓋もののように目を引くデコレーションとして楽しむ方法もありますが、空間全体のバランスを考えて、あえてなじませるというのもコーディネート術の一つ」。
イタリアの「ポルトローナ・フラウ」製のジュエリーボックスは、上質な木材や革の質感が美しい、家具と一体化するようなシンプルでシックなデザイン。中は細かく仕切られており、使いやすさも備えています。
重厚な存在感がありながらも主張しすぎることのない佇まいは、高級家具ブランドならでは。
多美保さんは“見せる箱”“なじませる箱”を使い分け、収納もインテリアを構成する要素の一つとして捉えているのです。
横瀬多美保/Tamiho Yokose
インテリアスタイリスト
東京都生まれ。テーブルコーディネーター、インテリアスタイリスト。テーブルコーディネーターの故クニエダヤスエ氏に師事。女性誌や料理本、百貨店のディスプレイなどのスタイリングに携わる。新旧、和洋を自在に織り交ぜた、モダンでエレガントなコーディネートに定評がある。『家庭画報』とのおつきあいは30年近く。流行や時代の変化をしなやかに受け止めながら、幸福感漂う美しい暮らしを提案し続けている。
『テーブルコーディネートから始まる 美しい暮らしのインテリア365日』 2019年10月2日発売!
『家庭画報』をはじめとする女性誌で活躍する、インテリアスタイリスト・横瀬多美保さん。ご自身の1LDKでの暮らしを1年間にわたり追った『家庭画報.com』の人気連載が、ついに一冊の本になりました。コーディネートの組み立て方、“自分らしい”空間の作り方も初公開! 今すぐ活用できる暮らしのtipsが満載です。