中に収納したモノが見えてしまい、重い印象だった以前の棚。部屋全体が収納庫のような雰囲気になってしまっていた。 収納扉の色彩は、大理石の床材と調和するマットな質感のサンドベージュと、オフィスのイメージがあるグレーで構成した。収納家具を替えただけで、空間自体の印象が一変した。Tips2
奥行きは浅めの、扉付きの収納棚ですっきりと
以前は、仕事で必要な備品や資料などをしまうためだけの場所だったDEN。
モノをたくさん入れることを目的とした収納棚を並べていました。
「できれば、書斎のように使える居心地の良いスペースにしたいと思って。まず取り替えたのは、この収納棚です。収納容量ばかりを考えるのではなく、きちんとモノを収めつつインテリアとして美しいものをと検討を重ねました」
結果、多美保さんが選んだのは
イタリア「レマ」社の「SELECTA」。
レッスン8でご紹介したリビングと同じシステム収納家具です。
奥行きは33.7㎝と浅め。扉があるので、中に収納されているモノの存在を感じさせないすっきりとした印象になり、棚の高さ自体は以前よりも高くなっているにもかかわらず、断然軽やかで上質な趣の空間に変わりました。
テーブルには、流木を花留めに使って大輪のキングプロテアを生けた。実際のスペースに対して大きすぎるような高さがある花あしらいをすることで、部屋の広さが2倍に見えるミラーの効果がさらに高まっている。Tips3
壁一面のミラー効果で奥行きを感じさせる
日本の多くの住宅では、クローゼットや洗面所、ドレッサーなど実際に使われる場所にしか設置されることがないミラー。
実は、光を反射させて明るくしたり、部屋の奥行き感を演出する効果がある優れたインテリアアイテムです。
特に大型サイズのミラーが狭小空間を広く見せる視覚的効果は絶大。
多美保さんのDENには、床から天井までの高さがあるノンフレームミラーが取り付けられており、実際のスペース以上の奥行きを感じさせます。
物理的な部屋の広さは変えられなくとも、“広く見せる工夫”を重ねることで、圧迫感を感じさせない空間を作ることができるのです。