大和屋にゆかりの紋や柄を浴衣地にあしらって
歌舞伎の楽屋では、7、8月は「暑中につき無礼講」と書いた紙が貼り出され、部屋着を重ねず浴衣だけで過ごすことが許されます。
巳之助さんがこの夏誂えた浴衣を見せていただきました。
定紋の三つ大の他、替紋の花かつみを意匠化したもの花かつみの花の部分、熨斗菱、さらに巳之助の「巳」の字をデザインしたものなど大和屋にゆかりの紋や柄を縞状にあしらっています。
巳之助「家元をつとめる坂東流で毎年、新調している浴衣の今年の柄です。デザインは、いつも何点か候補を持ってきてもらい、僕が意見を言って決めることもあります。女性のお弟子さんが着ても透けにくいよう柄が多いものや、女性向きの柄で誂えることが多いですね」。
こちら(下写真)は、巳之助さんのお父様である故・十代目坂東三津五郎丈がお家元だった時代にオリジナルで作ったもの。三代目坂東三津五郎好みと伝えられている「永木格子」と替紋の花かつみを意匠化したものを合わせた柄です。
本来は部屋着、湯上がり着であった浴衣ですが、紅梅や小千谷など生地を選んで衿をつけ、足袋を履き、帯をお太鼓に締めれば、歌舞伎座の納涼歌舞伎や今回の新橋演舞場での『NARUTO』のような公演を気軽に楽しむには良いかもしれません。
涼やかな夏きものや浴衣で、坂東巳之助さんの熱い舞台を応援に出かけたいですね。
新橋演舞場 新作歌舞伎 『NARUTO –ナルト-』
出演:坂東巳之助、中村隼人、市川笑也、市川笑三郎、中村梅丸、市瀬秀和、嘉島典俊、市川猿弥、市川猿之助・片岡愛之助(交互出演)
期間:2018年8月4日(土)~27日(月)
昼の部11時開演 夜の部16時30分開演
●お問い合わせ
チケットホン松竹 TEL:0570-000-489
チケットweb松竹
http://www.ticket-web-shochiku.com 構成・文/清水井朋子 撮影/小澤達也 撮影協力/国立劇場