大切なものを失ってしまった一男を表現するため、寝ずに現場へ
「一男のキャラクターをどうしようかなというときに、なぜ九十九は一男が好きなんだろう、万左子は一男のどこに惹かれて結婚したんだろうって、それをすごく考えました。九十九はすごく才能があるけど、変わった奴で。一男だけが理解してくれたようなところがあったし、九十九も一男のピュアな部分を見抜いていたと思うんですよね。万左子もそういう一男に惹かれて結婚はしたが、借金を背負ってしまって、大切なものを失って。原作だと欲を失ったっていう表現をしてますが、“ああしたいこうしたい”がなくなってしまった。人生に彩りが失われてしまったんですよね」
佐藤さんは、一男から「借金を背負う前と後で、大切なものを失ってしまったというような違いがにじみ出ていたらいいなと思いました」と言います。そして、生活に疲れた感じを出すためや、「借金に追われて働きすぎて万左子に苛立ってしまうようなシーンは、寝ないまんま現場に行ったりしてましたね。そこは監督と話し合ってやったわけではなくて。『バクマン。』のときも、徹夜で漫画を描いたりするシーンのときは、寝ていませんでした」。
3億円が当たったら、佐藤さんはどうするか聞いてみると、「一生さんに相談に行きますね。持ち逃げされないように気をつけます（笑）」。
