恥ずかしくて、どんな顔をして試写室を出ればいいのかわからなかった
佐々部監督とは、本作が初タッグだった大森さん。「(佐々部監督は)顔が怖いので、怖い人かなと思っていたんですけど(笑)」と最初の印象を語る大森さんですが、実際は「すごく優しい人で。いつも俳優の近くにいて寄り添ってくれるので、非常に取り組みやすかったです」。その佐々部監督から白秋を演じるにあたってのリクエストは、やはり子供っぽく無邪気でいることだったそうで、「撮影してるときは僕ももう45歳だったので、大丈夫かな、こんなに無邪気でいいのかな、みたいな悲しさと戦ってました(笑)」。
そう笑う大森さん。でも、作品を観ると本当に無邪気で子供みたいで。それを伝えると、「セーフでしたか? じゃあ、よかった」とまた笑う大森さんの白秋が子供っぽく見えたのには、表情も大きく関係しています。それだけに、大森さんも完成した作品を観て、自分はこんな顔をしてたんだと意外に思う場面もあったのではないかと聞いてみると……。
「自分の作品を観るのはわりと照れ臭いです、最初は。この映画は特にそんな気持ちになって。ちょっと嫌でした、試写のとき。恥ずかしくて。スタッフもいますし、どんな顔して試写室を出ていけばいいのかわからないですし。子供みたいに泣いてるのを自分で観ることは、あまりない経験ですから」
完成した作品を観たのは、まだ1回だけということで、「次に観たら、免疫がついて、もう大丈夫。恥ずかしくないと思います(笑)」。