“ラーメン二郎”好きが高じて、「一時はヤバイくらい太りました」と笑う。気取りのない笑顔がチャーミング。――俳優としては、ミュージカル『マタ・ハリ』『1789―バスティーユの恋人たち―』『タイタニック』、project Kの5人芝居『僕らの未来』に出演し、歌手としてはライブツアーとアルバムリリースを行った2018年は、どんな1年でしたか?
「すごく充実していたなと思います。ここ数年、特に30歳を過ぎてからは、20代の頃にあった“とにかくやらなきゃ”っていう、何かに追い立てられているような感覚がなくなって、毎年本当に充実感があるんですよ。2017年のミュージカル『レディ・ベス』から始まって、去年は『1789~』『タイタニック』と再演ものをやらせていただく機会にも恵まれて、同じ作品をもう1度やらせてもらえる喜びとともに、自分なりに成長を感じることもできました」
――頼もしいです。
「いえ、実際には自分のことで手いっぱいだし、はたから見たらまだまだだと思います。ただ、芝居に対する姿勢みたいなものは、以前より柔軟になった気がします。10代から20代前半の若い人達と共演すると、昔の自分を見ているような感覚になるんですよ。そういう目線で見られるようになったかと思うと、自分も少しは成長したのかな、徐々に周りが見えるようになってきたのかなと感じます。やってきたことは、やっぱり無駄じゃなかったんだなと」
――そんな加藤さんの息抜き法、気分転換法は何でしょう?
「食べるのが好きなので、自分でご飯をつくることが息抜きになっています。自分が好きなものを食べると、力の源にもなるんですよね」
――得意料理は何ですか?
「ラーメンです。“ラーメン二郎”のラーメンが大好きで、家で自分で作るようになりました。豚骨と背脂を買ってきて、スープから作ります。よく舞台の共演者が食べに来たり、去年はなぜか、テレビ番組の取材も受けました(笑)。ミュージカル界では、“加藤二郎”と呼ばれてます(笑)」
――ジロリアン(“ラーメン二郎”をこよなく愛す人の通称)では飽き足らず、自分で作っているとは! いつ頃からですか?
「1年半くらい前ですね。2017年の『レディ・ベス』の再演の時に、同じ役をWキャストで務めた山崎育三郎くんに“そんなにラーメン二郎が好きなら、自分で作れば?”と言われて以来なので。僕がミュージカルをやろうと思ったきっかけも、ミュージカル『コーヒープリンス1号店』(2012年)で初共演したいっくん(山崎さん)に、同年代でこんな素晴らしい歌声と表現力を持った人がいるんだ!と衝撃を覚えたことですし、実はラーメン二郎にハマったきっかけを作ったのも、いっくんです。節目節目のきっかけに、なぜか存在しているんですよね(笑)。彼も“加藤二郎”にちょこちょこ食べに来ていますよ」
――2019年はどんな年になりそうですか?
「僕は基本的に“やればできる”がモットーなので、今年もまた、いろいろなチャレンジをする年になると思います。まだ発表できないことばかりなんですが、ちょっと面白い年になりそうです。まず、2019年の最初の仕事がこの『暗くなるまで待って』ですからね。ずっとやりたかった作品なので、僕にとっては新年のっけから挑戦ですし」
――プライベートでチャレンジしてみたいことは何でしょう?
「そうですね、プライベートの時間があまりないので、時間があったら……ラーメンの麺も作ってみようかなと思ってます。今はスープだけなので、どうせやるなら全部自家製にしたいなと」