石丸：長く演じているうちに、父親みたいな気持ちになってしまいそうですね。 ビリー：はい。子役の男の子たちの成長ぶりを間近で見ているので、なおさらです。人間としてはもちろん、役者としても成長している彼らと、舞台上で役同士の心の深いところで繋がる瞬間を感じたりすると、本当に嬉しくなります。 石丸：それは素晴らしい体験ですね。 ビリー：ただ、プロであってもやはり子どもなので、予想外のことも起きます。本番中に、最年少の子が急に舞台の上をふらふらと歩き出してしまって、小声で「ダメだよ。この場面にちゃんと参加してね」なんて注意したり(笑)。 石丸：ハハハ(笑)。話を聞いているだけでドキドキしてしまう。 ビリー：お陰で、毎日が刺激的で新鮮です。子どもたちは台詞を忘れようが、声が裏返ろうが、ほとんど気にしない。シンプルに舞台を楽しんでいる彼らと仕事をしていると、初心に帰るというか、僕自身の「演劇が好き」な気持ちも改めて思い起こされて、とても楽しいです。 
奇しくも、二人の誕生日は同じ。「こんなことあるんですね。なんだか縁を感じます」と石丸さん。
石丸：観ていて僕も、皆さんが心から楽しんで作品づくりをされているのを感じたし、改めて「そうか、楽しむことをお客さんと共有することも、演劇の大事な要素なんだな」と思いました。ちょうど、実話がベースになった『パレード』という非常にシリアスな作品をやった後だったので、ある意味、僕自身の心のリセットにもなりましたね。ビリーさんがミュージカル俳優の道を志したのは、いつ頃なんですか？
ビリー：高校時代です。スポーツをやってみたんですが、あまり興味が持てなくて、そんなときに出合ったのが演劇でした。初めて舞台に立ったとき、何かがパチン！と弾けるような、それまで経験したことのない喜びを感じたんです。それで、とにかくやってみようと思って。石丸さんは、どんな経緯で？
制作発表会見でミュージカルナンバーを２曲披露したビリーさん。圧倒的な歌はもちろん、曲とともに変わる表情にもご注目を。
