2013年には日英合作の舞台『家康と按針』の英国公演に出演。海外デビューを果たした。――舞台の仕事をするときに、いちばん心がけていることはどんなことですか?
「細かいことはたくさんあるんですけど、正直、舞台ではかなり大変な思いをすることが多いので、その大変さにどう立ち向かっていくかというのが、いちばんかもしれないです。僕は、デビューが小劇場の舞台だったんですね(『恋ばば 十四歳!』2010年、池袋・シアターグリーン)。劇団の人達と一緒に、舞台美術から何からみんなでつくり上げていく舞台で、それがすごく楽しくて。でも、お芝居のことがいろいろとわかっていくにつれて、責任感も出てきますし、ここは本当はこういうほうがいいんじゃないか?とか、悩みも多くなってきて……。そういう難しさや辛さにどう打ち勝つか、ということは毎回考えています」
――では、俳優になってよかったなといちばん感じるのはどんなときですか?
「昔は、映像作品や舞台に出ている自分の姿を家族に見てもらうことが、モチベーションになっていました。自分が仕事をしているところを見せることって、きっと会社員の方だとなかなか難しいですよね? この仕事はそれができるし、それが一種の親孝行にもなっている。そういう意味では、俳優になれてよかったなと感じます。自分のために働く人も多いと思うんですが、僕は自分のために働くだけだと自己満足になってしまいそうで、ちょっと辛いです。誰かのために仕事ができたほうがいいなと思いますね」
――今後の目標は何でしょう?
「いつもは、“英語がしゃべれるから、海外の作品とかも出られたらいいですね”なんて、大きなことを言うんですけど (笑)、本当はこの仕事を続けていられるだけで僕は嬉しくて。今は実年齢よりも若い役をやることが多いので、ちょっと大人っぽい役ができたらいいなとか、あとは、やっぱりクセのあるキャラクターのほうが僕は演じていて面白いので、そういうものができたらいいなと思っています」