6月13日
透明感のあるひと揃えでトークイベントへ
私が毎シーズン、コレクションカタログのモデルを務めている高級ニットブランド「青山サロン」。この日は、オーナーがご厚意で『
母のタンス、娘のセンス』の出版記念トークイベントを開いてくださいました。
背景の衣桁(いこう)に掛けたものは、本にも登場している鮮やかな空色の地に、クレタ島の情景を描いた訪問着。きものは銀鼠の紗綾形地紋に精緻な相良刺繍を施した、母の美し~~い付け下げ訪問着。白地に蛤(はまぐり)をリズミカルに配した袋帯に、帯揚げと帯締めはあえてモノトーンで合わせて。クリスタルの帯留めも目に涼やかに映ります。
同日、銀座和光で催されたファッションブランド「ミカコ ナカムラ」のオープニングレセプションへ。ワントーンのコーディネートなら、洋装の方ばかりの会でも違和感なく、銀鼠の付け下げ訪問着をソワレ感覚で装うことができました。
デザイナーのミカコさんと。彼女とは常若会のお仲間でもあり、彼女の洋服の大ファンです。来月はいよいよ薄物の季節。涼やかな夏便りを楽しみにお待ちください。
一色采子/Saiko Isshiki
日本画家の故・大山忠作氏の長女として東京都に生まれる。毎日をきもので暮らしたお母様のもとで、コーディネートや着こなしのセンスを磨き、現在はファッションのアイテムを取り入れながら独自のスタイルを楽しむ。趣味の日本舞踊や三味線、長唄では名取になるほど、古典芸能への造詣も深い。現在は、福島県にある二本松市大山忠作美術館の名誉館長や二本松市の観光大使も務める。
【連載】女優 一色采子の「母のタンス、娘のセンス」
構成/樺澤貴子