吉田さんと福山さんは声の相性がいいと是枝監督。「よくわからない」といいつつ、「すごく繊細なことなんでしょうね」と吉田さん。
わずかな変化が画に、空気に、劇的な効果をもたらす
是枝監督が現場で求めたミクロの修正は、吉田さんいわく「劇的な効果をもたらすんですよね」。 それは、撮ったばかりのシーンをモニターでチェックするときにわかるのだそう。 「こっちのほうが全然いいってわかるんです。わずかに変えただけなのに、画も空気もまったく変わっていて。 “そういう芝居じゃない。芝居変えろよ”じゃない。ちょっとだけのことなんです。 それを辛抱強く、執念深くおやりになるのが是枝さんなんですね。これはすごいなと思いました。 だから、NGになって、もう1テイクっていわれても、あ〜もうなんなのなんて途中から思わなくなって。 じゃあ、もう1回やろう、よくなるんだったらどんどんやろう、そういう空気が出きていました」 そんな空気の中で撮られ、そして完成した作品を観て「意表をつかれることがたくさんありましたね」と吉田さんはいいます。