――バレエを始めたのは4歳の時だそうですね。やはり夢は、当初からバレリーナ?
「いえ、プロになろうと決めたのは高校生の時です。学校に進路を提出する時期に、自分は将来何をやるんだろう?と考えたら、自分が観てきたバレエの舞台がパッと浮かんで。4つ上の姉に続いてバレエを習い始め、それまでは楽しいだけで続けていました。小学生の頃は日本舞踊も習っていたんですよ。でも、プロになると決めてからはレッスンの受け方も変わりました。遅いスタートでしたけれども、真面目になったというか(笑)、できないことから逃げなくなりました」新国立劇場バレエ団を代表するプリマバレリーナ。華奢に見えるが、抜群の安定感でダイナミックかつ繊細に表現する。
――バレエのどういうところに、いちばん楽しさを感じますか?
「楽しさでいえば、観るのがいちばん楽しいです(笑)。いい舞台を観ると、バレエって、やっぱり観に行くものだなあと感じます(笑)。でも、もちろん踊ることも大好きですし、特にクリエーションをしている時間は楽しいですね。先シーズンでは、中村恩恵さん振付の『ベートーヴェン・ソナタ』がとても印象に残っています。本番もスペシャルなものでしたし、ダンサーとして非常にいい時間を過ごさせていただきました」ベートーヴェンの音楽と人生から喚起されたイメージを舞踊化した中村恩恵振付による『ベートーヴェン・ソナタ』(2017年3月)より。撮影/鹿摩隆司
――プロとして、心がけていることは何でしょう?
「舞台は一人でできるものではないので、周りや作品全体が見えなくなって、自分だけ気持ちよく踊ってしまうことがないようにと思っています。あとは、昔は太りやすかったんですが、今はすぐに痩せてしまうので、なるべく食べるようにしています。私の場合は、もう少し体重、サイズがないと、衣装が綺麗に見えないので、そこが悩みの種です」