――バレリーナとしての目標は?
「全部のダンサーのいいところを全部盗めたらいいなと思います(笑)。かなり欲張りですね(笑)。素晴らしい踊り手を見て、ああいう風になりたいというイメージを抱くことはとても大事だと思いますし、それを自分の体に落とし込んでいけたら、伸びるのも早いはず。そういう意味では、私は人をかなり観察している気がします」すらりと伸びた手足とバランスのとれたプロポーション。舞台に立つと、その華やかなオーラでより大きく見える。
――バレエは目も耳も心も潤してくれる、まさに“総合芸術”。ただ、その高尚なイメージゆえに、敬遠する人がいるのはもったいないように思います。
「でも不思議なことに、日本のバレエ人口はとても多いんです。お稽古事としては定着しているので。一方で“この作品を観に行く”という習慣がまだまだ根付いていないのは、とても残念だなと思います。確かにバレエ公演のチケットは、安いものではありません。音楽や美術、衣装や照明、私たちダンサーやオーケストラの方、舞台裏のスタッフの方たちも、最高の舞台をお届けしようと日々つとめているので。ただ、言葉がなくてもわかる芸術がバレエなので、決して“難しいもの”ではありません。あんまり言うと自分へのプレッシャーになりますが(笑)、観ているだけでわかる、感じるはず。ですから、とにかく一度、足を運んでほしいなと思います。その空間や時間を存分に楽しんでいただけるよう、新シーズンも頑張ります」※サイン入りポラロイドのプレゼント応募は、申し込みを締め切りました。
小野絢子/Ayako Ono
バレリーナ
東京都出身。小林紀子、パトリック・アルモン、牧阿佐美に師事。小林紀子バレエアカデミー、新国立劇場バレエ研修所(第3期修了生)を経て、2007年にソリストとして新国立劇場バレエ団に入団。08年のビントレー『アラジン』で主役に抜擢されて以降、数々の作品で主役を務める。11年にプリンシパルへ昇格。主な受賞歴は、アデリン・ジェニー国際バレエコンクール金賞(04年)、芸術選奨文部科学大臣新人賞および舞踊批評家協会新人賞(11年)、服部智恵子賞(14年)、橘秋子賞優秀賞(16年)など。
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