アイスダンスへの転向宣言をしてから初めて観客の前に登場するのは10月5日のアイスショー「カーニバル・オン・アイス2019」。SPを披露してくれる予定ですが、どんな滑りを見せてくれるのか、楽しみですね。年明けからは、2014年にシングルから転向した村元選手とのカップルだからこそ醸し出せる、シングルとアイスダンスの魅力が融合され、昇華された唯一無二の世界観にも、期待しています!写真は「フレンズ オン アイス2019」で初披露したSP「The Phoenix」。ダンスの舞台や「氷艶hyoen」に挑み続けた日々があってこそのアイスダンスへの挑戦
男子シングルについての思いを聞かれた髙橋選手、「やりきったというわけではないが、新しいものにより興味を惹かれた。アイスショーでは1人でも滑るので、シングルを一切やらないわけではありません」と安心させてくれました。
“限界に挑戦!”なショートプログラム(SP)「The Phoenix」と革新的なフリースケーティング(FS)「Pale Green Ghosts」。競技会でこの名プログラムを見ることができる予定は、今のところ西日本選手権、全日本選手権の2回です。あまりに心奪われるプログラムだったので、競技としては、もうそれしか見られないのが正直、残念な気持ちもありますが、2020年1月からアイスダンサー・髙橋選手という新しいジェットコースターに乗り継ぐためにも、最後までしっかり見届けたいと思います。
もがき、道を模索する中でトライしたダンスショー「Love On The Floor」や「氷艶 2017 砂沙羅」、「氷艶hyoen 2019」などの経験と自信を積み重ねてきた今の髙橋選手だからこそ、アイスダンスへの挑戦という決断ができたのでしょう。
筆舌に尽くしがたいほどの挫折、努力、すべての出来事を糧にばねに、未知なるステージへと跳躍。
己の力で次々と新たな扉を開き、フィギュアスケートの世界を豊かに広げ、さらに無限の可能性までも感じさせてくれる稀代の表現者であり、開拓者でもある髙橋大輔。彼の進む道は、きっとこれからも目が離せない、ワクワクドキドキのジェットコースターロードになるに違いありません。
今年の全日本選手権は、歴史と心に刻まれるアツい大会になりそうです。
小松庸子/Yoko Komatsu
フリー編集者・ライター
世界文化社在籍時は「家庭画報」読み物&特別テーマ班副編集長としてフィギュアスケート特集などを担当。フリー転身後もフィギュアスケートや将棋、俳優、体操などのジャンルで、人物アプローチの特集を企画、取材している。
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