フィギュアスケート愛(eye) 本誌『家庭画報』の「フィギュアスケート」特集を担当する、フリー編集者・ライターの小松庸子さんが独自の視点で取材の舞台裏や選手のトピックスなどを綴ります。
バックナンバーを見る>>> 優勝争いを繰り広げた友野一希選手(右)と山本草太選手(左)捻挫により西日本選手権欠場の髙橋選手。
残す男子シングルの試合は全日本選手権のみ!
2019年11月1日(金)~4日(月・祝)にかけて滋賀県立アイスアリーナにて行われた、西日本選手権の取材に行って来ました。去年は、4年ぶりに現役復帰した髙橋大輔選手が10月の近畿選手権に続いて出場するとあって、会場となった日本ガイシアリーナは超満員。髙橋選手の一挙手一投足に地響きにも似た歓声が起こり、会場が興奮のるつぼと化していたことを思い出します。見事、優勝を飾り、全日本選手権へ向けて弾みをつけた一戦となりました。あれから1年。
20年1月から、アイスダンスという新しい世界へ飛びだすことになった髙橋選手が男子シングルとして出場する試合は、この西日本選手権と全日本選手権の2大会のみ。両大会のチケット確保が大変!という話も聞いていました。
昨年の、まるでコンサート会場のような盛り上がりの再来を楽しみにしていましたが、残念でした。全日本選手権では万全の体調で、心と目に焼き付く演技が見られることを祈っています!(写真は『家庭画報』2019年3月号。西日本選手権でのFS「Pale Green Ghosts」より)しかし、皆さん、既にご存じのように、10月30日のジャンプ練習中に左足首を捻るアクシデントが勃発! 「左足関節捻挫及び左足関節外側靭帯損傷」により痛みと腫れが生じたため、西日本選手権の棄権が髙橋選手本人のコメントで31日に発表されました。泣いても笑っても、正真正銘、全日本選手権が髙橋選手の男子シングル競技集大成となります。こちらまで、今からすでに緊張して来ました……。
さて、決して交通の便がいいとはいえない西日本選手権会場。大会の主役となるはずだった髙橋選手の欠場で、空席が目立つことを少し心配しながら向かったのですが。メディアは確かにやや少なめだったものの、会場は9割ほどが埋まり、ほぼ満席状態。日本のフィギュアスケートファンの想いの深さを感じる大会となりました。