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化粧品メーカーが挑む究極の美肌研究。その秘密に迫る

2019.12.05

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ポーラ
脳科学が解き明かす心とハリ肌の関係


B.Aリサーチセンター 中西類子さん

B.Aリサーチセンター
中西類子さん

肌と心と体の関係に着目し、認知科学や脳科学の知見や技術を応用した研究に従事。実際の効果実証も担当し、“効く”化粧品を追求する。

好奇心に満ちた若々しい人は肌も弾力に溢れている理由


ストレスホルモンがシミやバリア機能の低下などの悪影響をもたらしたり、逆にリラックスした状態だとスキンケア効果が高まる――。このような心と肌の関係はすでに確認されていますが、さらに進んで“肌を美しくする脳の働き”を探求しているのがポーラです。

研究者の中西類子さんは「年齢を重ねても積極的で好奇心に溢れた人は、内面だけでなく実際に外見や肌も若々しく美しい人が多いものです。

そこから、好奇心と脳の働きを調査したところ、好奇心を抱くことで高まる2つの神経伝達物質、積極性にかかわるノルアドレナリンと、まわりの人やペットなどとの愛情や絆形成で高まるオキシトシンを皮膚の細胞が感知すると、肌の弾力因子が増加して若々しいハリが増すことがわかりました」。

好奇心に溢れた人は、単に印象が若々しいだけでなく、実際に肌も若々しいことが脳科学によって示唆されたのです。

「興味深いのは、自分の肌だと想像しながら弾力の高い皮膚モデルに触れていただくと、好奇心に関連する脳の部位の活動が高まる現象がfMRIで確認できたことです。

つまり好奇心によって肌の弾力因子が増え、また弾力が高まった肌に触れると好奇心が増す、それでさらに弾力因子が増え、という好循環が生まれるのです」

肌の弾力を高める好循環を生み出すケア


この成果を踏まえ、美肌の好循環を高めるための化粧品も開発されています。

「肌に神経伝達物質を受け止める受容体が少ないと伝達物質を受け損ねてしまいます。そこで受容体を増やす効果のある成分を探索し、ケイヒエキスに優れた効果があることを発見しました。

さらに、細胞が老廃物を分解する若返りシステム“オートファジーサイクル”を活性化するための新処方や、これまで分子が大きすぎて肌内部まで送り届けられなかった高分子ヒアルロン酸の浸透を可能にするなど、現時点で最高峰といえる技術を結集することで、これまでとは比較にならないレベルのエイジングケアを提供できるようになりました」

ノルアドレナリンとオキシトシンの肌弾力因子の産生効果


ルアドレナリンとオキシトシンの肌弾力因子の産生効果N=3、平均+標準偏差、*:p<0.05、**:<0.01(t検定)

好奇心にかかわるノルアドレナリンとオキシトシン。いずれの脳メッセージ物質も、肌で弾力因子を増加させ、ハリのある肌へと導くことが期待されます。

弾力の高い皮膚モデルがもたらす脳への効果


弾力の高い皮膚モデルがもたらす脳への効果※fMRI N=10

弾力の高い皮膚モデルを自分の肌だと想像して触り、脳の活動をfMRIで計測したところ、好奇心を司る前頭前野の活性化を確認。弾力肌と好奇心の関係が確認されました。黄色部が弾力の高い皮膚モデルに触れることにより活性化した部位。

資料提供/ポーラ 化成工業 研究所
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