コスメデコルテ
再生医療をヒントに若々しい肌に挑む
コーセー 皮膚・薬剤研究室
平 昌宏さん
美白、保湿、エイジングケア等の研究開発に従事。なかでもシワ改善美容液「iP.Shot」や「AQ スキンケア」、「AQ ミリオリティ」では主軸となる。「真の高級品とは流行に流されず、最高の技術と美学を結集したもの」との信念を礎に、コスメデコルテでは最先端の再生医療技術のスキンケアへの応用に取り組んでいます。
研究開発を牽引する平昌宏さんは、「スキンケアと再生医療は一見違うもののようですが、生体が本来持っている再生の仕組みを解き明かすことで進化を続けるという点は共通であり、両者はクロスオーバーするところもあるのです」と話します。
増殖因子を保護する皮膚の仕組みに着目
そのために、皮膚の再生医療技術から3つの課題を抽出。①細胞の増殖促進や活性化、②細胞を取り巻く環境の改善、③細胞の増殖や分化を促す増殖因子の保護、とテーマを定め、20年にわたり、一つずつ解決の道を見出してきました。
「①の加齢によって減少する皮膚細胞の数や活力の低下と、②の環境改善についてはすでに解決し、若々しい細胞を増やすと同時に細胞が増殖しやすい足場を生み出す発想を生かしています。その後、10年間にわたって、最後の課題の③増殖因子の保護に取り組んできました」
これは肌の生まれ変わりを促すGF(増殖・成長因子)注入施術として美容医療でも人気の施術ですが、化粧品へ応用するにはいくつもの課題がありました。
「最大の課題はGFが体内で分解されやすく、十分に役割を果たす前に減少してしまうこと。細胞膜上にはシンデカン‒4という、GFをつなぎ止めて分解を防ぐ物質(GFストレージ)があるのですが、これにも酸化ダメージに弱いという弱点があるのです。
実際、酸化によってGFストレージが減るとGFの分解が進んで皮膚の再生が遅れ、傷の治りが悪いこともわかっています。
ただ当社には抗酸化研究の長い蓄積があり、驚異的な効果のある屋久島産の茶葉“紅富貴”と出合い、解決の糸口を見つけることができました」
まさに今年、20年にわたる再生医療技術への取り組みが完遂。そのすべての成果を搭載した、真にラグジュアリーな製品に応用しています。
「もちろん、スキンケア効果だけでなく使用感や香り、デザインなども最高レベルを目指し、あらゆる意味において現時点で最高の品と自負しています」
酸化ダメージによるGFストレージの発現量変化
肌の再生を高めるGFを守ってくれるのがGFストレージ。ただ酸化に弱く、紫外線などによるダメージで大幅に数が減少します。
細胞増殖力への紅富貴エキスの効果
紅富貴エキスの作用により、酸化ダメージを受けても細胞が増殖抗酸化力に優れた茶葉の中でも“紅富貴”は特有のメチル化カテキンを多く含み、圧倒的な抗酸化力を発揮。GFストレージを酸化ダメージから守り、細胞の増殖を助けます。
資料提供/コーセー