エンターテインメント

小林ひかるさんが語る、英国ロイヤル・バレエの世界

2019.12.27

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『輝く英国ロイヤルバレエのスター達』に出演するスターダンサーたち。右からメリッサ・ハミルトンさん、フェデリコ・ボネッリさん、高田 茜さん、ウィリアム・ブレイスウェルさん、ヤスミン・ナグディさん、アクリ瑠嘉さん、マヤラ・マグリさん、平野亮一さん、ローレン・カスバートソンさん、ワディム・ムンタギロフさん。©Andrej Uspenski

2018年にロンドンで上演された『うたかたの恋(Mayerling)』のラリッシュ伯爵夫人役を最後に、バレエダンサーを引退した元英国ロイヤル・バレエ団の小林ひかるさん。


今後は、「バレエの世界と繋がった仕事がしたい」という思いから、英国ロイヤル・バレエ団のスターダンサーたちの魅力を伝えるべく、ガラ公演を初めてプロデュースします。『輝く英国ロイヤルバレエのスター達』と題された公演について、小林ひかるさんに伺いました。



プロデュースを担当した小林ひかるさん。

3つのテーマが導く英国ロイヤル・バレエの世界


――3つのテーマに分けて作品を選んだ、プログラムの見どころについてお話しいただけますか?


初めてバレエをご覧になる方にも、バレエファンの方にも関心を深めてもらえるようにという思いと、それぞれのダンサーが得意とするもので表現することを考え、幅広い世界観が楽しめる構成となっています。

まずは踊るダンサーが作品に対する思いなどを語った1分ほどの映像が流れ、その後に舞台は始まるので、ご覧になったことのない作品でも少しは理解しやすいかと思います。

ダイナミックさをテーマにした「Part1」には、トラディショナルな『白鳥の湖』で最も有名な黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥ(男女2人で展開される踊り)がふさわしいと思い、選びました。『Corybantic Games』はクリストファー・ウィールドンが、英国ロイヤル・バレエ団のために昨年振り付けした新作で、今回踊るマヤラ・マグリはそのときのオリジナルキャストです。

『コッペリア』は12月にロンドンでデビューした高田 茜とウィリアム・ブレイスウェルで、日本でもご覧いただきます。『クローマ』は英国ロイヤル・バレエ団のために振り付けされた作品で、若手2人が挑戦します。

「Part2」は作品を通した感情表現をテーマにし、『ロミオとジュリエット』という有名なパ・ド・ドゥから始まります。この作品は演じるダンサーによって雰囲気も違いますし、今回ロミオを踊るウィリアムの『ロミオとジュリエット』は、イギリスのテレビ局のBBC TWOによって映画化されることになっているのも話題のひとつですね。

『ルナ』はメリッサ・ハミルトンが初めて挑戦します。シルヴィ・ギエムが踊ったことで有名な作品ですが、モーリス・ベジャールバレエ団以外で踊ったダンサーはほとんどいないので、とても特別な機会です。実は、メリッサを初めて見たときに身体の柔軟性や肉体美においてシルヴィに似たものを持っていると思ったので、彼女が『ルナ』を踊ったらどんなに素敵だろうと考えていました。そこで私から、上演許諾を管理しているジル・ロマンさんにお手紙を書いてお願いし、実現に至りました。

「Part3」は神秘的で、人間ではない存在を表現した作品を選びました。マヤラ・マグリは昨年『火の鳥』でデビューしたのですが、とても衝撃的だったので、これは日本のお客さまにもご覧いただきたいと思いました。『Homage to the Queen』は振付家のデヴィッド・ビントレーさんが、ガラ公演での抜粋上演のためにパ・ド・ドゥの一部を新たに振り付けしてくれます。『ラ・シルフィールド』はヤスミン・ナグディとウィリアム・ブレイスウェルが初めて踊ります。



英国ロイヤル・バレエ団在籍中の公演「眠れる森の美女」で踊る小林ひかるさん。
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