自分の主義主張、はたから見れば“文句”をどれだけちゃんといってきたかが残る。だから文句はいい続けますよ。
──長嶋さん
今、おもしろくないと嫌。思いは残さない
石原 一茂さんみたいな人はほかにいないから、すごく刺激になるんですよ。この前おもしろいなあと思ったのは、“元気の源”を聞かれて「極真空手の大会でボコボコ殴り合うこと」って答えたでしょ。そこでエネルギーをもらうっていうんだから。
長嶋 それは間違いない。体を動かしている男たちが集まる場所はパワースポットになるから、そういうところに身を置きたい。
石原 エネルギーのやり取りっていうことでいうと、たとえば日常でも「応援していますよ」といってもらって「ありがとうございます」と返す。そんなささやかなエネルギーのやり取りも、僕は大事にしたいなと思ってる。
長嶋 良純さん、同じなんですよ。技の攻防も言葉の投げかけも、キャッチボールするわけです。殴り合っている相手を通して自分を見つめ直している。相当痛いキャッチボールではあるけれど、それは自分を見つける冒険でもあるんだと思う。
石原 なるほどね。今、聞いていて思ったけど、僕も仕事というより、キャッチボールしている感覚が楽しいんだよね。トーク番組なんかで気の利いたことがいえるわけじゃないけど、今日はみんなのパスがうまくつながって絶対おもしろかったな、というときがたまにある。
長嶋 すごいね。僕は良純さんみたいに俯瞰して客観的には考えられないから。でも、今おもしろくないと自分が嫌だっていう感覚は、良純さんとも共有できるんじゃないかな。自分がつまらないのにお金をもらうのは嫌だから、いろんな現場で文句もいう。
僕にしてみれば主義主張をいっているだけなんだけどね。振り返ったときに、自分の“主義主張”、はたから見れば“文句”をちゃんといってきたかどうかが大事なんだと思う。
だから文句はずっといい続けますよ。仕事だから我慢、じゃなくてね。それで「明日から来ないでください」といわれても別にいい。そんなふうに割り切ってできるのが、今はすごく楽しいから。