エンターテインメント

ふたりは「中途半端に売れている」!? 石原良純さん×長嶋一茂さん特別対談

2020.01.14

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開き直っているというか、あるがままでいいや。それで喜んでもらえるんだったら、いいかなって思う。
──石原さん


石原良純さん

元気がなくなりつつあるテレビに、「自分が楽しみながら、どうしたら新しいものがつくれるか考えます。恩返しをしたいからね」と思いを寄せます。

どう思われてもいい、「鈍感力」が強み



石原 僕なんかも、ある種開き直っているというか、あるがままでいいや、と思ってる。そのうち飽きられて呼ばれなくなっても、それはそれでいいや、と。

長嶋 その場を楽しめたかどうかだけで、人からああだこうだいわれても、すぐ忘れる。SNSの評判みたいなものもまったく見ないしね。

石原 僕も全然気にしない。それはね、僕ら、幼少期まで遡って、見られることに慣れているんですよ。一茂さん、扮装なんてしないでしょ。

長嶋 絶対しない。どう思われたっていいもん。だいたい“他人から見た自分”っていうのにはさまざまな誤解があるわけで、全員の誤解を解くことなんて到底できない。だから結論として、「どう思われてもいい」。

石原 いっとき「鈍感力」って流行ったじゃない。一茂さんも「鈍感でいい」というけれど、それは裏を返せば鈍感じゃないっていうこと。

長嶋 鈍感をよしとする人は、本当に鈍感なわけではない、と。

石原 うん。そういう力が昔から身についている。自分たちの強みはそこにあるのかなと思う。そうそう、僕ね、自分の評判には興味ないけど、インスタグラムはやってるの。それは、若い人たちとまったく話がかみ合わないってところから来てるんだけど。

石原良純さん

鉄道や城も頻繁に登場する趣味とこだわりが詰まったインスタグラム。名所や自然を背景にした自撮りがお約束。「娘には『誰も見ないよ』っていわれてる」と自虐気味。

「最近の若いもんは」みたいに頭ごなしにひとくくりにするんじゃなくて、自分から興味をもって彼らの中に入っていかなきゃ、本当のところは伝わってこないと思うんだ。まあ、インスタでどうこうということでもないんだけど、何かやっとこうという思いはある。

長嶋 若者といえば、この前、次女に「パパと話してないときあったでしょ。反抗期だったの」っていわれてね。全然、気づいてなかった。

石原 そんなのかわいい。反抗期じゃないって。僕なんか、去年の正月に息子が受験なものだから、娘に二人でどこか行くかと聞いたら、当たり前だけど「行かない」。それが普通。

子どもたちと一緒にいる時間を大切にしたい


長嶋 うちは娘たちと3人で今年ハワイに行ったけどね。

長嶋一茂さん

1年の3分の1を過ごすというハワイ。家族と一緒もいいけれど、1人もまた楽し。「朝起きて、“全部自分のための時間なんだー”とかみしめる瞬間がたまらないね」。

石原 なに、うれしそうなドヤ顔。

長嶋 僕のほうが良純さんよりいいパパやってる(笑)。だってあなた、地方ばっかりで家にいないでしょう。

石原 うーん、でもね、自分たちの父親に比べたら断然家にいるよね。

長嶋 いるいる。僕は意識していようと思っていますよ、どんなときも。

石原 子どもといるのっておもしろいな、って思うんだけど、うちの父親は思わなかったんだね。子どもと一緒にいるよりおもしろいことがあったのか、仕事が楽しかったのか知らないけど、子どもとの時間をつくろうとしなかった。僕はね、なるべく時間を共有したいと思う。ただ声をかけるだけでもさ。それは「見てるよ」っていう意思表示だから。

長嶋 うちも親父に何かいわれた記憶ないから、あれこれ厳しくいうのはやっぱり母親になる。だから、僕も何もいわない。女房が厳しいから2人で追い込んじゃまずいよ。「いい人のパパ」をやっていればいい。

石原 今は、お互い束の間子どもたちが平穏な時期じゃない。これが少しすると、就職だの、結婚だの……。

長嶋 ひと悶着あるね。だけど、それもどうなるかわからないからおもしろいんじゃない? 人生必ず終わりは来るんだから、いつもどんなことも楽しまないと。そう思いますね。

石原 そうだね。一茂さんとはアプローチは違うけど、やっぱり似ているところがあるんだよね。じゃ、また収録で!

石原良純(いしはら・よしずみ)さん

石原良純さん

1962年神奈川県生まれ。慶應義塾大学在学中に芸能活動を開始、84年、映画『凶弾』で俳優デビュー。タレント、俳優、気象予報士としてドラマ、バラエティ、報道番組と幅広い活躍を続けている。私生活では一男一女の父。

 

長嶋一茂(ながしま・かずしげ)さん


長嶋一茂さん

1966年東京都生まれ。立教大学卒業後、87年ドラフト1位でヤクルトスワローズに入団。93年読売ジャイアンツへ移籍。96年に現役を引退し、タレントに転身。数々のテレビ番組にレギュラー出演中。双子の女児の父。
撮影/興村憲彦 スタイリング/おおさわ千春(石原さん) ヘア&メイク/箕輪亜希乃〈MARVEE〉(石原さん) 脇坂美穂(長嶋さん) 取材・文/河合映江 協力/八芳園

『家庭画報』2020年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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