――倉持さんとは以前から面識があったそうですね。 舞台化もされた映画『小野寺の弟・小野寺の姉』(2014年)で向井さんの姉を演じた片桐はいりさんの紹介だったとか?
「そうなんです。共演させていただいた頃から、“凄くいい劇作家さんがいるよ”という話をはいりさんから聞いていました。ただ、倉持さんと面と向かってゆっくりお話しできたのは、2年くらい前に食事をご一緒したときですし、演出を受けるのは今回が初めてです」
――倉持さんの作品には、どんな印象をお持ちですか?
「コメディに振り切った作品があったり、シリアスなものがあったり、時代劇やファンタジックな作品も書かれていたり。いろいろなジャンルの作品を振り幅広く手がけられていて、なんて引き出しがたくさんある方なんだろうと思っています。なおかつ緻密で繊細な演出をされる方だな、きっと表面的なわかりやすさとは違うところが好きな方なんだろうなと。今回の作品も、嘘をつくことの裏にある感情が大事になってくる気がします」
倉持さんの脚本は、昨年12月に放送されたコメディ時代劇『LIFE! presents 忍べ!右左ヱ門 THE SKY ATTACK』(NHK)で経験済みの向井さん。ミステリアスな悪役・仁兵衛として立ち回りも披露した。