――『トリプル・ビル2020』公演は、コロナ禍で中止になってしまい本当に残念でした。活動自粛期間中は、どう過ごしていたのでしょう？
「いつ稽古が再開してもいいように、家でトレーニングしていたんですけれども、なかなか先が見えないこともあって、途中から気分的に少しダラけてしまって。それで、自分で目標やスケジュールを作って、それに従って生活するようにしていました。あとは料理ですね。得意というほどではないんですが、作るのは好きで、手間ひまがかかって普段はなかなか作れないブイヤベースとか、揚げ物にもチャレンジしました。自分で毎食作っていると、結構あっという間に1日が終わってしまうんですよ（笑）」
――さすがです。雑誌『Tarzan』の表紙も飾った（2020年5月28日号）、その素晴らしいボディは日々のトレーニングと食生活に支えられているのですね。
「意識的に体づくりをするようになったのは、海外で踊っていた頃なんです。せっかく役がついても、僕には日本人よりも体格のいい欧米の女性ダンサーを片手でリフトすることが難しくて。そのせいで役がつかなくなってしまったのが悔しくて、必要な筋肉を意識的に鍛えるようになりました。そんな自分がスポーツ誌の表紙になるとは思ってもいなかったので、嬉しかったですね。“見たよ”というメッセージもたくさんいただいて、いい記念になりました（笑）」
――リモートワークなどで運動不足気味な人におすすめの運動を、ぜひ教えてください。
「そうですね……まずは、朝晩のストレッチをおすすめしたいです。朝は、体をじっくり伸ばすストレッチよりもラジオ体操のような動的ストレッチをして体を温めると、1日快適に過ごせると思います。夜寝る前は逆に、30秒くらい動きを止めて筋肉をじっくり伸ばす静的ストレッチをやる。そうすると、翌朝目覚めたときに体が軽く感じられると思います」
2019年のＫバレエ秋公演で世界初演された熊川振付『マダム・バタフライ』より。東洋と西洋が美しく融合した舞台で、ピンカートン役を瑞々しく演じた。©Hidemi Seto
