――ありがとうございます。堀内さんがバレエを始めたきっかけは何だったのでしょう?
「もともと体が柔らかくて、8歳くらいから体操をやっていたんですが、引っ越しをして続けられなくなってしまったんですね。そんなときに、父の知り合いのバレエ関係の方から“男の子で体が柔らかいんだったら、バレエをやってみたら?”とすすめられて、バレエを習い始めました。10歳頃のことです」
――バレエをずっと続けよう、プロになろうと意識したのはいつ頃ですか?
「僕の場合、はっきりしたきっかけとか、大きな決断があったわけではないんです。自分の中では、受験して高校に入って、大学に進学して、就職活動をして社会人になって……というのと同じくらい、ごく自然な流れだったので。バレエの先生にすすめられてドイツのバレエ学校に留学して、就職活動をするようにバレエ団を受けて、気がついたらバレエが仕事になっていたような感じで」
――では、バレエをやめようと思ったことは?
「落ち込んで、やめたいなと思ったことはあります。イメージどおりに踊れなかったり、改善しなきゃいけないのになかなかできなかったりすると、辛いですし。ただ、本気でやめようと思ったり、別の何かをやり始めたことはないですね。小さな挫折はたくさんありますけれども、大きな挫折も怪我もなくここまでやってこられたことは、ラッキーだったなと思います」
2017年のKバレエ春公演 熊川版『海賊』より。堀内さんは奴隷商人ランケデム役で出演した。©Hidemi Seto