ハイクレア城に暮らす ドラマ『ダウントン・アビー』で一躍脚光を浴びた英国ハイクレア城。その城に今も住む第8代カナーヴォン伯爵家の人びとのライフスタイルを、英国フリーライター山形優子フットマンが取材。貴族の暮らしに息づく英国文化をご紹介します。水曜更新。
(今までの連載はこちら) いかめしいノッカーのついた玄関ドアを一歩入ると、伯爵夫人の笑顔が……。古き良き英国の美学に彩られたハイクレア城のインテリア
19世紀の美の粋を尽くしたハイクレア城のいかめしい玄関扉の前に立つと、鹿の足を口にくわえた威嚇的な狼の鉄製ドアノッカーが目に入ります。それを叩くと、エレガントな物腰のバトラーが、にこやかに現れて、城の中に導いてくれます。
一歩入ると何故かアットホームな雰囲気に満ち溢れています。第8代伯爵夫人レディ・フィオーナが明るい笑顔で挨拶してくださいます。愛犬たちが、ちぎれんばかりにしっ尾を振り、彼女の後に続きます。城といえども、雰囲気が家庭的なのは、人が住んでいるからなのでしょうか。
愛犬とともに出迎える伯爵夫人。夫人の愛犬は7匹。どの犬も人好きで、パーティにも出入りするほどに温厚。