資生堂
5種の美容医療から着想を得た“目に見える”シワ改善
資生堂 グローバルイノベーションセンター
櫻井菜海子さん
入社以来スキンケアに特化し情報および商品開発を担当。現在は世界トップクラスの研究成果を持つラグジュアリーラインでの技術PRを務める。かつては“化粧品はエイジングサインの予防、改善治療は美容医療”と、両者の間には明確な一線が引かれていました。
それが昨年、厚生労働省が正式に化粧品のシワ改善効果の訴求を認めたことから、その境界がなくなりつつあります。
特に最高峰のエイジングケア化粧品は、高い効果性で美容医療の領域に迫るほどに。その潮流をリードしているのが、医薬品部門を擁する資生堂の研究開発です。
「従来の化粧品開発の枠組みにとらわれず、先進の美容医療施術の研究にも積極的に取り組んでいます。特にシワ改善化粧品の開発では、有力な最新施術を化粧品にどう応用するかがテーマとなりました」と、同社でプレステージブランドを担当する櫻井菜海子さんは話します。
着目したのは、世界の皮膚科医が認めるシワ改善外用薬成分・レチノイン酸や、大谷翔平選手が肘の治療の際に受けたことで話題になったPRP施術、ヒアルロン酸注射、ベビーコラーゲン注射、FGF注入など。高級美容クリニックの人気メニューを網羅する豪華さです。
美容医療のシワ改善効果をより安全に、心地よく継続的に
「医療技術を真似るのではなく、その施術の効果メカニズムを詳細に研究し、同じ働きを化粧品で実現するのが目標です。
たとえばレチノイン酸はより低刺激の純粋レチノールを採用し、かつレチノイン酸に迫る効果が得られるよう処方に工夫を凝らしています。
またPRPは、施術後の皮膚にコレステロールエステルが増えていることを解明し、類似成分を配合しました。その結果、現在あるシワの改善はもちろん、シワになりにくい肌に導くことまで可能になりました」
そのうえ美容施術のような痛みやダウンタイムもなく、複数の施術効果を一つの製品に凝縮して相乗効果を狙えるように。ここに至り、化粧品は医療に迫りつつあるとさえいえそうです。
純粋レチノールによる頰部の真皮成分変化
緑色:コラーゲンやヒアルロン酸などの真皮成分最新レシピの純粋レチノールを1日2回使用したところ、12週目には真皮成分(写真右の緑の部分)が顕著に増加しています。真皮層の成分密度が増すことで、弾力感やハリ感も大幅に向上しました。
レチノールを含む製品使用前後のシワ解析比較
目もとを中心にレチノールに加え美容医療の技術を採用した製品を使用。8週間で目尻寄りのシワはもちろん、目頭の下側のたるみも大きく改善し、すっきりハリのある目もとに。
資料提供/資生堂