幸福長寿に導く5つの活 第5回(全16回) 「幸福長寿」の決め手は、健康寿命をいかに延ばせるかということ。そして、それは自分でも心身の衰えを感じるようになった今からの生活の過ごし方とも深くつながっています。“現在の私と未来の私”のためのセルフメンテナンス法をご紹介します。
前回の記事はこちら>> 腸活【実践編】
普段の生活に少しだけプラス。食事と運動でおなかの調子を整える
〔お話ししてくれたのはこの方〕
有吉与志恵先生コンディショニングトレーナー。運動指導者。日本体育大学卒業。解剖学や運動生理学、東洋医学を取り入れ、筋肉のアンバランスを整える「コンディショニング」を確立。実効性は高く評価され、雑誌やテレビへの出演多数。オリンピック選手のサポートも。1.マッサージ
便が通る方向に沿って、押し流すイメージで
便秘の予防や解消、また便秘や下痢の原因になりやすいストレスのコントロールには軽い運動が役立ちます。まずはよく歩くことが一番です。また、
次のページに紹介するような、おなかを刺激したり、腹筋を鍛えたりする体操もおすすめです。
「米国の臨床現場では、便秘やおなかの張りに悩む患者さんに対して、おなかの中心部から腸の走向に沿って、ゆっくり押していくマッサージが行われています。自分でやってもいいし、誰かにやってもらうのもいいですね」(鳥居先生)。
便秘やおなかの張りを和らげるマッサージ
仰向けに寝て両膝を軽く曲げる。
腸の方向(白い矢印)に沿って「の」の字を書くように押したりなでたりする。続いて便が通過しにくい、腸が大きく曲がっている部分(○印)を1から5の順に気持ちがよいと思うくらいの力で押す。
2.食物繊維
不足しがちな食物繊維を意識して摂取する
便の材料として重要なのが食物繊維です。食事摂取基準の目標量では18〜64歳の女性は1日18グラム以上、65歳以上の女性は17グラム以上ですが、実際の摂取量は10〜16グラムと不足しています。
食物繊維には便を軟らかくする水溶性食物繊維と便のかさを増やす不溶性食物繊維があります。下に挙げた食品の多くには両方が含まれているので積極的に摂りたいものです。ただし、便秘がひどいときに玄米やさつまいも、ごぼうといった不溶性食物繊維を多く含む食品を摂りすぎるとさらに便秘が悪化する可能性があり、注意が必要です。
食物繊維が多い食品の例
玄米、ライ麦パン、そば、ごぼう、れんこん、にんじん、ブロッコリー、きのこ類、切り干し大根、かんぴょう、こんにゃく、海藻類、大豆、納豆、おから、小豆、青汁、アボカド、りんご、なし