スクリーンの中で圧倒的な存在感を放つ寺島しのぶさん。本作では芳根京子さん演じる主人公・リナの師となる人物・エマ役に扮した。引き受けることに迷いが生じるほどの作品だった
映画『オー・ルーシー!』やドラマ『連続ドラマW 湊かなえ ポイズンドーター・ホーリーマザー』出演時にもご登場いただいた寺島しのぶさん。いずれのインタビューでも、オファーがあったときには、まず脚本を読む、それから出演を決めるとおっしゃっていました。では、今回の映画『Arc アーク』は?
そう遠くない未来。日本では、水分や脂肪分を合成樹脂に置き換える技術・プラスティネーションが遺体に対して施され、故人を在りし日の姿のまま永久に保存する“ボディワークス”が制作されるように。その技術を発展させた不老化処置によって、人間は永遠の若さを手に入れ……。ケン・リュウさんの短篇小説を映画化した『Arc アーク』で、人類史上初めて永遠の命を得たリナ(芳根京子)に影響を及ぼす、ボディワークス制作の第一人者・エマを演じた寺島さんにとって、本作の脚本は「まったくわからなかった(笑)」。
「何、これ? この世界観は何?っていう……。そもそもわかりやすい作品にはそんなに興味がないのですが、それにしても今回はまったくわからなかった。まったくわからないままお受けするというのは、今までなかったんです。でも、少し迷っているときに石川(慶)監督にお会いしてお話をして、監督に任せていればいいんだと思ってお受けしました」