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がんになった医療者の治療選択と向き合い方。看護師 射場典子さん 第3回(後編)

2018.02.09

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医療系学生の教育に活用。語りが未来の医療を変える


ディペックス・ジャパンは、医療系大学の学生や現場の医療者にも活用してもらう活動にも取り組んでいます。「患者の語りを視聴した学生や医療者はそこから多くの気づきや学びを得ており、未来の医療を変えられる可能性もあると思います」と射場さんはその手応えを語ります。

一方、“社会資源”としてさらに多くの人に認めてもらうためには、データベースの数を増やすことが欠かせません。しかし、一つのデータベースを公開するまでに約3年の期間と1000万円を超える費用がかかり、特に資金調達は大きな課題となっています。

「一般からの寄付を募るほか、新しい試みとして患者団体との協働プロジェクトを立ち上げ、“クローン病の語り”を開始しました」。この世界初の取り組みは、日本同様に資金難に苦しむ他国からも注目されており、患者のエンパワーメントを引き出す観点からも期待されています。


「英国のDIPExには“Living with Dying(死と向き合いながら生きる)”など最新医学では解決できないテーマの語りもあり、日本でもぜひ作成したいと思っています」。

患者や家族に“生きる希望”を見出す糸口にしてほしいと、射場さんはこれからも患者にしか語れない言葉を紡いでいきます。

「私の体験を生かしてください。そういって快く協力してくれた一人一人の語り手の思いが私と仲間の原動力となっています」


ディペックス・ジャパン

2017年、ディペックス・ジャパンは設立10年を迎えた。医師、看護師、社会学者、臨床心理士、メディア関係者など、さまざまなステークホルダーがこの活動に参加している。インタビューを受けた患者が運営委員として活動を支えているのも、ほかの国にはないディペックス・ジャパンの特徴だ。

健康と病いの語り ディペックス・ジャパン
http://www.dipex-j.org/

ディペックス・ジャパンのウェブサイトでは、がん分野の「患者の語り」として乳がん、前立腺がん、大腸がん検診、臨床試験・治験を、そのほかの分野の「患者の語り」では認知症を公開中です。

「患者の語り」を聴いてみよう


乳がんのデータベース

乳がんのデータベースでは27のテーマ別に患者の語りが映像・音声・テキスト形式で掲載されています。どのような語りがあるのか、その一部をご紹介します。

●異常の発見
妊娠中に硬く嫌な感じのしこりを見つけ、直感的にがんだと思って一晩泣き明かした。

●診断されたときの気持ち
がんと告げられ、びっくりしすぎて母が先に泣いてしまったので、慰めるほうが先になった。

●治療法の選択
答えがわからないからこそ、自分で勉強して納得して治療を選ぶことが大切だと思った。

●パートナーとの関係
夫にメールで乳がんだったと伝えたら、「一緒に治していこう。今日はおいしいものを食べに行こう」と返信があった。

●家族への思い
同居していたが、両親が悲しむことを思うと、病気のことをいついおうかと思い悩んだ。

●病気と仕事
命も治療も大事だけど、それにはお金が要るので、働きながら治療したいと医師に伝えた。
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