撮影/篠山紀信平昌五輪での羽生選手を見ながら思い出していたのは、2011年に初めて取材させていただいたときのこと。
髙橋大輔さん、織田信成さん、小塚崇彦さん、そして浅田真央さん、安藤美姫さんという世界に誇れる実力と人気を兼ね備えたスケーターたちが現役として演技し、フィギュアスケートの魅力がコアなファンの方以外にも伝播しはじめていた当時。
『家庭画報』とフィギュアスケートの世界観には親和性があるのではないかと考え、企画を提案したところ、やってみよう!と。篠山紀信さんにご協力いただき、試合会場やアイスショーへ何度も取材に出向く初の女性誌としてフィギュアスケート取材に取り組むことになりました。
そのなかで、次世代のエースとして羽生結弦選手にもご登場いただいたわけです。篠山先生ご一行が到着されるまでの間、仙台の喫茶店で2時間ほどインタビューさせていただきました。字数の関係でその時の原稿に書くのを断念したのですが、今も心に残っている言葉があります。
2018年『家庭画報』3月号(2月1日発売) でも話題に上っていますが、「ソチ五輪で絶対に金メダルを取りたいんです」。これには実は続きがあって、羽生選手は「金メダルじゃないとダメなんです」と言っていました。
「金メダルと銀メダルではやはりそんなに違いますか?」と聞くと、「全然違いますよ! 銀メダルになってしまったら、僕が思い描いていることの半分しかできなくなるはず」。16歳の少年がフィギュアスケートを核とした人生設計をしっかり構築していることに驚くとともに、感動も覚えました。そのあと篠山先生ご一行、編集スタッフと合流し、制服での写真撮影となったわけです。この前の夏、羽生選手に見ていただいたら「若い、若い!(笑)」と照れていらっしゃいましたが、キラキラオーラ爆発ですよね。