レディ・フィオーナと薔薇
「側を通るときに、思わず香りに引き寄せられてしまう……そんな薔薇が私は大好き」と言うレディ・フィオーナ、彼女のお気に入りは、淡いサーモンピンクの「ポール・シャービル」という薔薇です。
四季咲きのオールド・イングリッシュ・ローズの1種で、なんともいえない甘い香りを放ちます。絹のように滑らかな花びらは、まるで夜会服に身を包んだ貴婦人のよう。
(上)グリーンハウスでポール・シャービルを摘むレディ・フィオーナ。(下)伯爵夫人のお気に入り「ポール・シャービル」。ほかにも伯爵夫人がこよなく愛する薔薇があります。一つは「このバラの香りこそ、英国のルーツを思わせる」という「ガートルード・ジェキル」という品種です。英国ルーツの香りとは、いったいどのようなものでしょうか。想像して、思わずガートルード・ジェキルの花に顔を埋めてみたくなります。
もう一つは、花の直径が10cmもあるヨーロッパ中南部発祥の古いガリカローズの一種「シャルル・ド・ミル」です。深い赤紫の花びらは、あたかもスペインのフラメンコ・ダンサーの衣装を思わせます。
今朝グリーンハウスで摘んだ、色とりどりのティー・ローズの甘い香りが辺りに漂うよう。