連載「My Delicious だしが決め手の料理」8月
シャリアピンステーキ 赤ワインと椎茸だしのソース
ソースとドレッシングは作りやすい分量をレシピに記載。適宜調整を。
伝統的なフレンチの技を大切にしながら、今様の風を感じさせる料理で人々を魅了する古屋聖良さん。
集いの食卓の主役として考えてくださったのは、約90年前に日本で誕生したシャリアピンステーキをアレンジしたメインデッシュです。
「お肉ときのこは王道の組み合わせ。煮詰めて凝縮させた椎茸だしと赤ワインでソースを作り、マリネ用やソテーした玉ねぎにも椎茸だしを加えました」。
たたいて漬け込んだ柔らかな肉の味わいに、きのこの豊かな香りが深みをもたらします。
材料(2人分)
牛ヒレ肉 50グラム×2枚
玉ねぎ 1個(すりおろしたもの100グラム、みじん切り150グラム)
バター 30グラム
椎茸だし 2袋
赤ワイン 100ml
フォンドボー(市販) 150ml
タイム 1本
にんにく(つぶす) ひとかけ
しょうが(すりおろしたもの) 1グラム
片栗粉 適量
パセリ 適量
オリーブオイル 50グラム
白ワインビネガー 20グラム
レモン汁 20グラム
クレソン 適量
紅芯大根 適量
ハーブ(チャービル、ディルなど) 適量
エディブルフラワー 適量
塩 適量
黒こしょう 適量
白こしょう 適量
作り方
1.牛ヒレ肉はラップで包み、麺棒などでたたいて約1.5センチ厚さに伸ばす。すりおろした玉ねぎに、椎茸だしの1袋を開けて半量を合わせ、肉に塗り込む。ラップで包み冷蔵庫で1時間マリネする。
2.鍋にバター20グラムとみじん切りにした玉ねぎを入れて塩をふり、あめ色になるまで炒めておく。
3.別鍋に椎茸だし1袋、水300mlを入れて沸騰させ、中火で3分煮出す。だしパックを取り出し、1/3量になるまで煮詰める。
4.ソースを作る。鍋に赤ワインを入れ弱火で濃度がつくまで煮詰める。フォンドボー、タイム、(3)、にんにく、しょうが、塩ひとつまみを加えてさらに弱火で煮詰める。タイム、にんにくを取り除き、水溶き片栗粉で濃度をつけ、バター10グラムを加える。
5.(1)の肉から玉ねぎを取り除き、フライパンにサラダ油(材料外)をひいて強火にかけ、塩をした肉を入れて2〜3回返しながら焼く。アルミホイルで包み5分ほどやすませる。油を捨てたフライパンに(2)を入れ弱火で温める。
6.肉に黒こしょうをひき、(5)の玉ねぎと刻んだパセリ、(1)の椎茸だしの残りの粉末を適量のせる。
7.ボウルにオリーブオイル、白ワインビネガー、レモン汁を合わせ、塩と白こしょうで味をととのえてドレッシングを作る。クレソンを食べやすい大きさに切り、紅芯大根はスライスし、ハーブとともにドレッシングとあえる。
8.器に(6)と(7)をのせエディブルフラワーを飾り、(4)のソースをスプーンで添える。
福岡の料理屋「御料理 茅乃舎(かやのや)」発祥の茅乃舎のだしを使用。国産しいたけとまいたけを合わせた「茅乃舎 椎茸だし」6グラム×20袋入り。2268円/久原本家 TEL:0120-84-4000
古屋聖良(ふるや・せいら)さん
老舗の「学士会館」や、オーストラリアの名店「Brae」で研鑽を積んだ後、「クラージュ」のシェフに就任。一昨年フランスのレストランガイド『ゴ・エ・ミヨ』の「期待の若手シェフ賞」を受賞した気鋭の料理人。
クラージュ
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電話:03(6809)5533