川野泰周和尚が説く運の巡らせ方 らくらく瞑想で「開運メンタル」のすすめ 第3回 禅の教えでは、運のいい人、運の悪い人という考え方よりも、よい行いがよい巡りとなるという教えを重んじます。しかし、よい行いをするには心のありようが問題です。心が疲れていては、運の巡りもかんばしくないでしょう。らくらく瞑想を活用して心をリセットし、“運が巡る人生”を切り開いていきましょう。
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“今”に満足し感謝する心が「開運の道」
仏教の教えのもとに、私は「知足(ちそく)の人、不足(ふそく)の人」という観点で、幸せな生き方についてお話ししています。「知足の人」とは、今持っているもので十分に満たされ、ありがたいと感じる人で、健康や今日を無事に過ごせたことに感謝できる人です。知足の人は同類を呼び、自然に運が巡ってくるとされ、ひいては末代まで豊かな心が継承されるでしょう。
反対に「不足の人」は、どんなに豊かな生活でも心が満たされることがなく、もっと成功したい、もっとお金や物が欲しい、今の自分を認めずに頑張り続ける、執着のスパイラルにはまった状態になり、心が疲れきってしまいます。
お釈迦様の教えをいい換えれば、ありのままの自分を受け入れることで、欲から離れられ、執着を手放すことができ、結果、安らかな心で豊かに生きていける、開運の秘訣といえるでしょう。
“知足の精神”を全うするためにも、瞑想を日常に取り入れ、心の修養をしていきましょう。
開運メンタル術 心を満たす
心の疲れに繫がるネガティブな感情は、脳の扁桃体で起こるとされます。心に疲れがたまると、脳のエネルギーが消費されて脳疲労を起こし、心身にさまざまな症状をもたらします。ここで紹介する瞑想は、作業に注意を向けることで一心になる感覚を体感し、安らかな心の時間を増やしていきます。心の疲れを日々解消し、心身を楽にして、ありのままの自分を受け入れていきましょう。
無心になり集中力を高める、らくらく瞑想
灰ならし 香炉にたまった線香の残りを、一つずつつまみ出し、灰の表面を丹念に平らに整え、自らの心をも浄化します。
キャベツのせん切り キャベツをいかに細くせん切りしていくか、一心に集中します。雑念を手放せ、脳がストレスから解放されます。
コーヒーを点てる お気に入りの豆を挽き、香りを楽しみながら、おいしさを引き出すようお湯を注ぎ、最高の一杯を生み出すために夢中になることで、心を調えます。
読経 どんな経典でも構わないので、ひたすら音読を続けます。この瞑想は意味を考えないで唱えることで集中を研ぎ澄まします。一方、小説などは意味を考えてしまうので瞑想には不向きです。
(次回へ続く。)
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