〔特集〕神々の気配を感じる 聖地・開運の地へ 聖地神の臨在を感じさせる場、神に祈りを捧げる場は、常に霊験あらたか。新しい一年が生まれる正月を機に、心新たに神々のもとを訪ね、深い感謝と祈りを捧げることで開運を祈願します。
前回の記事はこちら＞＞・特集「聖地・開運の地へ」の記事一覧はこちらから＞＞
著名人に聞く 私が感動した「日本の聖地」
八百万の神が坐す日本では、神社や寺院、自然など、さまざまな地に神が祀られ、信仰されています。2025年に訪れるべき、運を開く、とっておきの聖地を教えていただきました。
磯田道史さん（歴史学者）
【沖ノ島】
世界文化遺産であり、古代より「神宿る島」として島自体が信仰の対象とされている。住所：福岡県宗像市 TEL：092（643）3162（「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群保存活用協議会）写真／ grandspy〈ピクスタ〉
浜松の
元城町東照宮は、豊臣秀吉も徳川家康も弱小時に訪れた場所で、その後、彼らを天下人へと導いたパワースポットです。
沖ノ島は、玄界灘に浮かぶ遺跡の島。上陸が禁止されている聖域で、神職であっても、必ず初めに着衣をすべて脱いで海に浸かり禊ぎをしなければ上陸することは許されません。大島の宗像大社沖津宮遙拝所から、拝むことができます。
井上章一さん（建築史家・作家）
【宇治上神社】
世界文化遺産「古都京都の文化財」の一つ。平等院の鎮守社として崇拝されている。住所：京都府宇治市宇治山田59 TEL：0774（21）4634 写真／ peia〈ピクスタ〉
私は神祇（じんぎ）信仰のない至って世俗的な人間ですが、阪神タイガースを思うときだけ、霊的な情がわきます。チームのために
宇治上神社では手を合わせました。
甲子園球場は、高校球児の聖地と実際にいわれています。
帯津良一さん（医学博士・作家）
由布院温泉は、場のエネルギーがきわめて高く、ここ10年以上毎年行っています。爽やかな空気の中で味わう、高級ウイスキーやおいしいお刺し身、ステーキは格別です。
朝霧高原（富士山西麓）で拝むご来光は非常に美しく、美人が多い印象です。
鏡リュウジさん（占星術研究家）
【鞍馬 木の根道】
幼少の源義経が鞍馬天狗と出会い、兵法修行をした場所といい伝えられている。住所：京都府京都市左京区鞍馬山 TEL：075（741）2003（鞍馬寺） 写真／首藤光一〈アフロ〉
子どもの頃から訪れているのが、京都の
鞍馬。奥の院から貴船に降りる道が荘厳で美しいです。
大将軍八神社の方徳殿のご神像は生きておられる感じがします。
2025年は今一度、日本にいながら多種多様な聖なる存在に出会える
国立民族学博物館を訪ねたいです。博物館は一種の聖地。今風にいえば「呪物」に満ちていると思うのです。
神田伯山さん（講談師）
新宿末廣亭は落語を中心としたさまざまな芸を生で味わえる聖地です。外観はスタジオジブリ作品に出てくる、大きなお風呂屋さんのような建物。木戸をくぐれば江戸時代にタイムスリップしたかのような内観。寄席文化の魅力が建物自体に満ち満ちに詰まっています。
三宅島は、多賀朝湖（たがちょうこ）こと後の英蝶（はなぶさ一いっちょう）という江戸の絵師が冤罪で12年間も島流しにあった場所。私にとって古典講談に出てくるところはすべて聖地です。
私は開運という発想がないので、自分事としては信じていないのですが、他人様の開運話は好きです。無名だった渥美 清さんが願掛けをしたところ『男はつらいよ』の寅さんの役が舞い込んだといわれる、入谷の
小野照崎（おのてるさき）神社は、そのエピソードも含めてたちまち好きになってしまいました。
（次回へ続く。
この特集の記事一覧はこちらから＞＞）
