川野泰周和尚が説く運の巡らせ方 らくらく瞑想で「開運メンタル」のすすめ 第5回 禅の教えでは、運のいい人、運の悪い人という考え方よりも、よい行いがよい巡りとなるという教えを重んじます。しかし、よい行いをするには心のありようが問題です。心が疲れていては、運の巡りもかんばしくないでしょう。らくらく瞑想を活用して心をリセットし、“運が巡る人生”を切り開いていきましょう。
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心に勢いをつけることが「開運の道」
禅の教えでは、自分で修行して自ら人生を切り開いていくことを説いています。いい換えれば、行動することでチャンスが巡り、運を摑んでいけるということです。それには心の勢いが欠かせません。
禅僧の修行には「行入(ぎょうにゅう)」と「理入(りにゅう)」があります。行入は行動から入る行で、理入は理論から入る行です。どちらも大切な行ですが、考えすぎて動けなくなってはならないという戒めがあります。
つまり、まずは心に勢いをつけて行動することです。するとワクワクした喜びが湧き、自分に関心を向けるようになります。そして目標を抱くようになります。目標とはやってみたいことや夢です。例えば、ボルダリングに挑戦したいと思い立って、いきなり壁を登るのは現実的ではありませんが、まずは腹筋や腕立て伏せをして筋力をつけたり、ジョギングを始めるなどの「心の着火剤」となる行動が重要です。そのなかで楽しさに目覚め、さらに前向きに行動できるのです。
これが日常における「行入」「理入」の行です。行を続けることで自己の再発見に繫がり、生きがいへと変わります。まさに開運への道を進む修行となるでしょう。
開運メンタル術 心に勢いをつける
やる気がなくだらだらと過ごしてしまうのは、心の勢いが足りないかもしれません。やる気はほんの少しの行動でスイッチが入ります。それには脳の中で働く神経伝達物質の一種、ドーパミンというホルモンがかかわっています。ドーパミンは報酬や快楽、やる気に関係する物質で、じっとしていると分泌されにくく、少し行動すれば分泌されます。ここで紹介する瞑想は、脳に気合いを入れ、心に勢いをつけていきます。脳を活性化してポジティブに過ごしましょう。
自分に関心を向ける、らくらく瞑想
没頭する 好きなこと、趣味に、時間を気にせず、一人で真剣に没頭しましょう。子どもの頃に、好きなことに対して夢中になった感覚です。ワクワクして活力に溢れ、集中力が高まります。
バンザイ気合い入れ (1)両腕を大きく広げて全身を引っ張っていくような感覚で後ろに伸ばしていきます。
(2)脚も腰も背中も両腕に引っ張られるように伸ばして、息を吸い込みます。
(3)体を緩めて息を吐き出します。
(4)一日の行動を始める朝は、ドーパミン分泌促進のチャンスです。朝日を拝みながら行うとより気合いが入るでしょう。
目標の書き出しワーク1.明日やりたいこと 2.今月やりたいこと
3.来年やりたいこと 4.死ぬまでにやりたいこと
5.死んだ後にやりたいこと自分のやりたいこと、やりたかったこと、夢や希望を思い出すたびに書き出します。できる、できないは関係ありません。義務感を伴う「やらなくてはならないこと」は書きません。このワークは、やりたかったことを思い出していくことで、意識下に封印していた感情を表に引き出し、自分自身に慈しみを向ける取り組みです。実際に始めてみたいと思うようになると活力が湧いてきて、先の希望へと繫がります。
今を精一杯に「生ききる」ことが禅の教えです。素晴らしい年になりますよう、お祈り申し上げます。
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