カルチャー&ホビー

なぜ「服部」と書いて「はっとり」と読むのか?

2025.02.18

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墨アート製作/越智まみ

名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

難読名字:服部(はっとり)

「服部」と書いて誰でも「はっとり」と読めます。しかしよく考えてみると、「服」は「はっ」とは読みませんし、「部」に「とり」という読み方はありません。

なぜ「服部」と書いて「はっとり」と読むのでしょうか。

実は「服部」は職業由来の名字なのです。


古代、朝廷には機織りを職業とする服織部(はたおりべ)という部署がありました。ここに勤めていたのが「服部」さんの先祖です。そして、「はたおりべ」は次第に「はっとりべ」に変化しました。

奈良時代になると、地名は縁起のいい漢字2文字で書くという決まりが出来ました。名字のルーツは地名が多かったので、名字も漢字2文字が主流となったのです。

そこで「服織部」も2文字化し、その際に中央の「織」が欠落したのです。ところが、発音上は最後の「べ」が落ちてしまいました。その結果、「服部」と書いて「はっとり」と読むことになり、漢字と読みが対応しなくなったのです。

こうした服織部の人達が住んだ地は各地にあり、多くは「服部」という地名になりました。

忍者で有名な服部一族は、伊賀国阿拝郡服部郷(現在の三重県伊賀市)に住んだ一族が地名に因んで名乗ったものです。
森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/

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