カルチャー&ホビー

桜のごとく花びらを散らす「散り椿」。奈良・伝香寺の満開時は圧巻の花つき

2025.01.31

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〔特集〕早春の大和路を行く 古都・奈良の椿 椿は日本原産で、文字どおり春を告げる花木。『万葉集』で初めて「椿」という漢字が用いられ、平城京の宮殿や貴族の庭園に椿が植えられたと伝わります。今も「文化としての椿」を大切に守り伝える奈良の人々や古刹を通して、世界に誇れる日本の椿文化を見つめたいと思います。前回の記事はこちら>>

・特集「古都・奈良の椿」の記事一覧はこちらから>>

三名椿と椿名所を訪ねて──
奈良・名椿の古刹へ

古都に春を呼ぶ霊木として尊ばれた奈良の椿。「奈良三名椿」と呼ばれる名木をはじめ、大和路には数多くの椿の名所が残ります。

散り椿──伝香寺

戦国大名・筒井順慶の母芳秀尼(ほうしゅう)が、順慶を弔うため香花を絶やさない寺院として再興した伝香寺。「散り椿」は、芳秀尼が堂前に供えた椿とされ、現在のものは3代目となります。


花首ごと落ちる一般の椿に対して、色まだ盛んなときに、桜のごとく花びらを散らすことから、その潔さを若くして没した順慶法印になぞらえ、「武士椿(もののふつばき)」とも呼ばれています。

樹高は4.5メートル、花形は八重蓮華咲きの桃色。江戸時代末期に唐招提寺長老と伝香寺住職を兼ねた宝静(ほうじょう)長老が椿の愛好家で、一説には同長老が三名椿を選んだのではないかとも。樹勢を感じさせる満開時の圧巻の花つきは、驚嘆に値します。

伝香寺
住所:奈良市小川町24
TEL:0742(22)1120
花の見頃/3月中旬~4月上旬

(次回へ続く。この特集の記事一覧はこちらから>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2025年02月号

家庭画報 2025年02月号

撮影/大泉省吾

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