歴史と自然がゆかしき奈良で朝活体験

唐突ですが、みなさまが奈良と聞いて思い浮かぶイメージは何でしょうか。

それは平城京跡や飛鳥宮跡といった史跡、あるいは奈良の大仏で有名な東大寺に鹿と言えばの奈良公園と、歴史にちなんだスポットを体験できる場所、ではないでしょうか。

そして、近隣の京都や大阪と比べるとコンパクトで、日帰りでひと通り体験できる、ともお思いかもしれません。


そんな日帰り奈良観光で宿泊は京都や大阪に戻って、というありがちな選択肢にひとつご提案をさせてください。

奈良の最大の魅力は、日々の喧噪で疲れた心と体にしみわたる、はるか古代から今へと続く、そこに住まう人々が大事に積み重ねてきた穏やかで優しい風土と流れる豊かな時間です。

日帰りで京都大阪に行けるから奈良だからこそ、敢えて泊りで過ごして、翌朝には当地ならではの魅力に触れる最高の朝活体験で、心身のリフレッシュを図ってみては。

醤油もろみの心地よい香りに身を委ね、鎮守の森散策と極上の朝食を満喫

奈良盆地の中央、古くから京都と奈良を繋ぐ交通のかなめであった田原本町（たわらもとちょう）に、奈良最古の醤油蔵と伝わるマルト醤油があります。

戦後の食糧難で絶えてしまったその醤油づくりを70年振りに復活させ、趣ある醤油醸造屋敷で四季折々の新鮮な地元食材と貴重な自家製醤油のご馳走を味わい、醤油もろみのあまい香りに抱かれて休める、ホテル・レストラン「NIPPONIA 田原本 マルト醤油」として生まれ変わりました。

300年続く醤油醸造屋敷に最低限のリノベーションを加え快適な宿泊空間に

卵黄と醤油のソースをあわせた「すき焼き」を地元奈良の銘酒みむろ杉とともに

翌日の朝は、醤油づくりを復活させた18代目当主・木村浩幸氏自らがガイドを務めるツアーで周辺を散策。神話の時代から続く鎮守の森と巳年の神、大物主大神（おおものぬし）と三穂津姫命（みほつひめ）の夫婦神を祀る村屋神社に参拝した後は、搾りたての生醤油と産みたて卵のたまごかけご飯が主役の極上の朝食を満喫。至極の朝活が体験できます。

県の天然記念物にも指定されている、貴重なイチイガシが群生している村屋神社の境内

醤油の種類でここまで香りや味が変わるのかと驚かされる朝採りたまごかけご飯と地物の季節食材を生かした朝食

蘇我入鹿が愛した甘樫の丘で絶景体験、古代から続く“ゆかし”な時を過ごす

国営飛鳥歴史公園がある明日香村は、訪れた人の目と心を癒す美しい山々の稜線と田園風景に囲まれた盆地で、1400年以上前の遺跡がいまだ数多く眠る、まさに日本の歴史のゆりかごです。奈良駅からのアクセスも車で1時間程度と、近年、落ち着いた豊かな時間を過ごせるエリアとしても注目されています。

トレッキングには、寝転んで地面から木々を見上げざわめきを聞く時間も

明日香村付近で宿泊したら、翌朝は時の権力者、蘇我入鹿（そがのいるか）の邸宅があった甘樫の丘に登り、彼が愛したかもしれない、大和三山（畝傍山・香具山・耳成山）を望む絶景と清涼な森気を味わうAsageshikiトレッキングツアーがおすすめ。現地を知り尽くしたガイドさんの案内でたどり着いた甘樫の丘の頂上でいただく、古代から続く製法で現地の食材を生かした朝ごはんと煎りたてのコーヒーは格別です。

飛鳥時代の貴族の朝食をテーマに地元の食材で作った朝ごはんはヴィ―ガンにも対応

本来は火気厳禁の現地で特別に焙煎される食後のコーヒー。奈良を一望する景色の中淹れてたの一杯を味わう

●お問い合わせ
NIPPONIA 田原本 マルト醤油
奈良県磯城郡田原本町大字伊与戸170
TEL：0744（32）2064
https://maruto-shoyu.co.jp/
周辺散策は宿泊客のみのサービス。詳しくはURLかお電話からお問い合わせください

Asageshiki明日香村トレッキングツアー（明日香村商工会）
奈良県高市郡明日香村島庄5番地
TEL：0744（54）2068
予約受付時間：AM9時～17時（平日のみ）
ツアー開催時間：AM7時半～11時半
要予約。ツアー参加料金おひとり様1万6000円（税込）大人/子供共通