苦労したのは、アニメの動きと声のトーンや大きさを合わせること
吹き替えで、「まったく違う表現の仕方が学べたのはよかったと思います」というムロさんは、これまで「抑揚をつけてセリフをしゃべるっていうことをほとんどやってなくて」。それは、若い頃に小さい劇場で演劇をした経験から。セリフを一つの文章として読んで、お客様に届けることが染み付いているといい、「それは声優さんのお仕事と逆なんですよ」。
声だけのお芝居は、これまでとは別の表現方法だということで、苦労もあったようです。
「リアクションのシーンは苦労しましたね。決闘のシーンで“ふんっ!ふんっ!”って言ってるんですけど、普段僕らは体を動かしながら声を出してますし、力具合に合わせて声が出るんです。でも、アニメーションに対してだと、“ふんっ”に力が入りすぎたり、動きと合わなかったり。あとは、痛がるシーンとか転がるシーンとか……。どこで痛がるのか、どれぐらいの痛がり方なのか、合わせるのが難しかったですね」
「リアクションは試行錯誤しつつ、何回もやらせていただきましたが、アニメの世界に自分が入ったと想像してやってみたら合いました」