今回の大会を通して感じたのは、アメリカの選手層の厚さ。
FSを終え、ヴィンセント・ジョウ選手も3位に食い込んできました。特に男子はみな個性豊かで異なる魅力を発揮していて、もしかしたらアメリカ男子フィギュア史上、いま最強に選手が揃っていて、観ていて楽しい時なのではないかとさえ感じさせてくれます。
そして、台乗りが期待されていた宇野昌磨選手。怪我の影響もあると思いますが、今回はSPでのジャンプミスが響いてしまい、6位と出遅れたのが痛かったですね……。ハイレベルの戦いになると、やはり1本のミスが致命傷になってしまう怖さがあります。2月の四大陸選手権ではFSで4回転を3本決め、見事に優勝を飾っていただけに残念。
悔し涙をこらえている姿が見られましたが、負けず嫌いの宇野選手のこと、ここから必ずや巻き返してくるに違いありません! 国別対抗戦もあるので調整が大変ですが、怪我をしっかり治してほしいと祈っています。
紀平梨花選手も残念でした! 疲れも出てきてしまったのだと思いますが、トリプルアクセル以外のスピンやステップも魅力なので、今後ますますの飛躍を期待しています。
男子も女子も、そしてアイスダンスやペアでも名演技がたくさん見られた今回の世界選手権。とても心に残る大会となりました。次回はどんなスケーターたちが、忘れられない演技を披露してくれるのか。今から楽しみです。
小松庸子/Yoko Komatsu
フリー編集者・ライター
世界文化社在籍時は「家庭画報」読み物&特別テーマ班副編集長としてフィギュアスケート特集などを担当。フリー転身後もフィギュアスケートや将棋、俳優、体操などのジャンルで、人物アプローチの特集を企画、取材している。
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取材・文/小松庸子